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事例紹介Case

事例紹介:株式会社アダストリア様 ECサイト[.st]に Salesforce Marketing Cloud を導入

2016年7月29日

事例紹介: Salesforce Marketing Cloud 導入・開発

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多様化する顧客に、同じメッセージを送っても仕方がありません。
1to1のマーケティングが必要だと考えました。
株式会社アダストリア WEB営業部長 田中順一氏

  • 会員の行動に基づき最適な情報をタイムリーに自動配信する1to1マーケティングの基盤を実現
  • 即効性を重視する際には、メールだけではなくLINEでの情報発信も実施
  • 1to1マーケティングのシナリオを精査し、データを活用してリコメンド情報の質を向上

多様化する顧客に対して1to1のマーケティングが必要

1953年に創業したアダストリアは、「グローバルワーク」「ニコアンド」など世界で17のファッションブランドを展開、国内外での売り上げは2000億円を超える。国内約1200店、海外約100店の販売拠点を持ち、さらにリニューアルにより強化された自社ECサイト [.st] (ドットエスティ)も2014年にスタートさせている。今ではECサイトの売り上げは全体の約13%を占め、会員数も440万人を超える。これは価値あるブランド、商品があり、そこにECという新たな手法が加わった結果の成長だ。

そんな中「店舗とEC会員の一元管理をシームレスに行える環境の整備をしてきました」と言うのは、WEB営業部長の田中順一氏だ。アダストリアが次のステップとして考えたのが、さらなる会員メリットの提供だ。「ある程度会員数は確保できたので、次はサービスの質をどうするか。多様化する顧客に、同じメッセージを送っても仕方がありません。1to1のマーケティングが必要だと考えました」と田中氏は言う。

進化するSalesforceなら自分たちもそれを使いながら進化できる

アダストリアが1to1マーケティング実現のために選んだのが「Salesforce Marketing Cloud」だった。「選んだ理由はSalesforceが常に進化している企業だからです。マーケティング・オートメーション以外のサービスもあり、将来それらを利用した際には相乗効果も期待できます」と田中氏。Salesforceが進化すれば、自分たちの仕組みも進化する。海外のサービスで不安もあったが、リスクよりもさらなる広がりが期待でき、それが大きな魅力に感じたと言う。

アダストリアでは2015年8月に Marketing Cloud の検討を開始し、2ヶ月ほどの時間をかけ自分たちがやりたいことは何か、マーケティング的に当然やるべきことは何か、さらにはカスタマージャーニーはどんなものになるかを洗い出した。結果を要素分解し、Marketing Cloud での活用方法についての議論を進めた。そこでは5つほどのマーケティングシナリオが見えてきたとのこと。

シナリオがはっきりしたことで Marketing Cloud を活用できると判断し、10月にはSalesforceと正式契約を結ぶ。さらに2ヶ月ほどの時間をかけシナリオを精査し、Marketing Cloud への実装を開始し、2016年3月には最初のフェーズが完成した。

実現したのがパーソナライズメール配信の仕組みである .st[you] だ。.st[you] はセグメント分けした顧客群ごとに最適化したメールを一斉配信するものではない。個々の会員の行動データを分析し、アクションに基づき最適化されたメッセージを自動で送るのだ。

常に進化するSalesforceと組むことで、スピード感を持ってサービス強化が進められる
情報発信のシナリオを Marketing Cloud に実装しタイムリーな情報発信基盤を構築

.st[you] では、大きく4つのシナリオをベースに各個人に宛てて個別メールを送っている。店頭での仮登録を本登録へ促す、気になった商品に対しての在庫減少や値下げをご案内、購入者へのフォローアップ、最後にリピート購入のためのアプローチ提案などである。これら4つのシナリオに基づき、個人の行動データを活用して適切なタイミングでメッセージを送るのだ。

「カートに商品を入れたのに買っていない顧客に、どのタイミングでどんなメッセージを送れば購買につながるのか。そういったシナリオの整備は、関係部署などと協力して行いました」と田中氏。精査されたシナリオに基づき、どんなメッセージをどのタイミングで配信するかのルールを作り、それを Marketing Cloud に実装した。この情報配信基盤の構築は、Salesforceやウフルの協力も得ながら進められた。

株式会社アダストリア WEB 営業部長 田中順一氏
株式会社アダストリア WEB営業部長 田中順一氏

情報の即効性を重視する場合は LINE を活用

アダストリアでは、LINEでの情報発信も始めている。「LINEで情報がくると人はついつい見てしまいます。なので即効性を重視する際に活用しています」と田中氏。カートに商品が残っている、 在庫が残りわずかになったといった場合は、会員にすぐにアクションを起こして欲しい。一方仮会員から本会員化を促す際は、急がせても効果は少ないのでメールで情報を送る。会員行動に応じ方法も使い分けているのだ。

.st[you] のパーソナライズメール
.st[you] のパーソナライズメール
LINE と連動したイメージ
LINEと連動したイメージ

現状LINEは、メール配信の20%程度に抑えているとのこと。メールもLINEもたくさん送れば効果があるわけではない。ユーザーが不快に思う頻度もあれば、配信に不適切な時間帯もある。それらも考慮しつつ、発信タイミングの最適化も行っている。また情報に画像があるのとないのでは、受け取った際の印象は大きく異なる。「Salesforceと連携して、LINEで画像を含む情報を送ったのは我々が最初だと思います」と田中氏。ここの実装には特にこだわったと言う。

1to1でのタイムリーな情報発信で効果は着実に積み上がっている

アダストリアでは1to1の情報発信を行う基盤を活用することで「今のところは、構築したシナリオに沿って効果が徐々に積み上がって来ている状況です」と田中氏は言う。実際に3ヶ月間ほど Marketing Cloud を利用し、Marketing Cloud 関連からのECサイト売り上げは、既にEC全体の5%を超えている。また、店舗での仮会員登録から本会員化を促す情報を送るようにして、登録率が10%ほども増えているとのことだ。

効果が積み上がることに加え、まずは1to1で会員とコミュニケーションがとれる基盤ができたことが重要だと田中氏は指摘する。これが完成したことで、プラスアルファで会員に価値を届けるにはどうしたらいいかを考えられるようになったからだ。この基盤作りは簡単ではなかったが、Salesforceの構築にも実績のあるウフルの協力もあり、自分たちの思うように動く基盤ができあがったと言う。

さらなる情報活用で情報の質を向上し会員に「トキメキ」を提供

今後はシナリオを追加し情報発信数を増やすよりも、情報の質の向上に注力したいと田中氏は言う。「基本的な仕組みはできたので、これからは何を送るかが重要です。そのために我々が情報として送るスタイリングなどを、会員が本当にいいなと思ってくれる。そういったものが何かを導き出そうとしています」とのこと。アダストリアではそれを「トキメキ」と捉え、経験や勘だけに頼るのではなく蓄積してきたデータを独自アルゴリズムで分析し、科学的な視点で導き出そうとしている。これについてはCRM推進の部隊中心で取り組んでおり、より高度にリコメンドができる情報作りに挑戦している。

「情報をぱっと見て、ときめいてもらえるようにしていきます」と田中氏。データを活かした1to1マーケティングを実践し、そこから得られたデータを活用しさらに情報発信の質を高める。このサイクルを繰り返し、顧客とのより良い関係を築くチャレンジを、これからも続けていきたいと田中氏は言う。


会社概要

株式会社アダストリア

株式会社アダストリア

東京都千代田区丸の内 1-9-2 グラントウキョウ サウスタワー 10F

事業内容: 衣料品・雑貨等の企画・製造・販売

「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」を企業理念に掲げる、ファッションカジュアル専門店チェーン。企画から生産、販売までを一貫して自社で行う「グローバルマルチブランドファッションSPAカンパニー」を目指しており、国内外17ブランド、約1300店舗を運営、さらに自社ECサイト [.st] (ドットエ スティ)を展開し、その会員数は440万人を超える。リアルとデジタルの世界を融合し顧客がチャネルを問わずに一貫したサービスを受けられる環境を整備し、それらを活用してアパレル、 雑貨の販売だけにとどまらない新たなビジネスにも挑戦している。

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