マーケティングの基本から考える顧客生涯価値

フルタ
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Let’s back to basics.

ということで今回はマーケティングのラボとしてマーケティングの基本に立ち返りたいと思います。

ところで、星野リゾートの星野社長は教科書を何度も読み込み、しかもそのまま実践するそうです。そのことを聞いて教科書、そして基本の大事さを再認識してしまいました。

そこで今日はマーケティングの大家フィリップ・コトラー先生のライフワーク本を教科書にしてエッセンスを抜粋しつつ、みなさんと一緒に顧客価値について考えてみたいと思います。

教科書

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版

WHAT:顧客価値とは?

顧客価値とは企業にとってある顧客がどの程度収益に貢献してくれているかを示す指標。これだけだと企業側の論理しか見えてこないのですが(結局売りたいだけでしょ?と)、ある顧客がどの程度企業の「ファン」なのかを数値化することで、企業が自社製品・サービスの「ファン」を認識することができ、「ファン」に対するコミュニケーションを考えるスタート地点であるとわたしは解釈しています。

以下教科書より。

つまるところマーケティングとは、収益性の高い顧客を引きつけ維持する技術だといえる

維持する」が実はミソで、「顧客生涯価値(Life Time Value)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。現在の‪一時点の顧客価値だけでなく、将来的に(厳密には過去も含めて)顧客がどの程度収益に貢献してくれるか?という指標です。

たまたま一回大きな購買があった人と毎回少額だが購買頻度が高く今後も定期的に買ってくれそうな人を比べた場合、仮に5〜10年単位で価値を比較すると後者のほうが価値は高くなります。

図1

この顧客生涯価値を高めるためには、まず顧客との関係性を見直す必要がある、ということで、またまた教科書より以下。

カスタマーリレーションシップの基本原理

■見込み客と顧客を特定する

■顧客のニーズと自社にとっての顧客価値という観点から顧客を分類する

■一人ひとりのニーズについての知識を向上させ、さらに強力なリレーションシップを構築するために、顧客と交流する

■顧客の離反を減らす

■カスタマーリレーションシップの寿命を延ばす

■「シェア・オブ・ウォレット」やクロスセリング、アップセリングを通じて、各顧客の成長可能性を高める

■収益性の低い顧客の収益性を高める、もしくは縁を切る

■価値の高い顧客に対しては、多大な努力を注ぐ


また、教科書とは別になりますが、2:8の法則(パレートの法則)というものがあります。20%の顧客の購買額が売上全体の80%を占めるというものです。

CRMの基本原理からも、20%の収益性の高い顧客(=企業にとって価値の高い顧客)に対して収益最大化のための努力を継続しつつ、残り80%の顧客に対しては、収益性を高める施策を別途検討する必要があると読めます。

「ファン」でない人を「ファン」にする。既に「ファン」である人にはさらに「ファン」になってもらう、そして将来長きに渡って「ファン」でいてもらうということですね。

HOW:どうすりゃいいのさ?

では、具体的にどんなことをするのかを、例としてさきほどのリストにあてはめていってみます。

■見込み客と顧客を特定する

ECサイト会員で購買履歴のある人とない人をわける。

■顧客のニーズと自社にとっての顧客価値という観点から顧客を分類する

RFM分析(「最終購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「累計購買金額(Monetary)」の3つの指標による分析)で顧客をランク付けする。

■一人ひとりのニーズについての知識を向上させ、さらに強力なリレーションシップを構築するために、顧客と交流する

購買履歴を分析し、顧客一人ひとりの嗜好をある程度のレベルで分類する。分類したセグメントごとにコミュニケーションプランを作成する。

■顧客の離反を減らす

休眠顧客に対して再購入を促す。

■カスタマーリレーションシップの寿命を延ばす

顧客の嗜好(ニーズ)にあった新商品をお知らせする。

■「シェア・オブ・ウォレット」やクロスセリング、アップセリングを通じて、各顧客の成長可能性を高める

顧客の購買履歴をもとにクロスセリング、アップセリングとなる商品を紹介する。

■収益性の低い顧客の収益性を高める、もしくは縁を切る

ポイント有効期限のお知らせや、ランクアップシステムを紹介することで「ファン」に近い状態にする。

■価値の高い顧客に対しては、多大な努力を注ぐ

特別クーポンの提供、優待などでロイヤリティを維持する。

ざっと埋めてみましたが、こうして「なにをすれば良いか」を書いてみると、企業内に保有している「顧客マスタ」や「購買マスタ」などの基本的なデータを利用して顧客分類・分析し、そしてその結果ごとのコミュニケーションプランを検討すれば良いということがご理解いただけるかと思います。

まとめ

マクドナルドは子供の頃にファンになってもらうことを重視していると聞きます。それは早い段階でファンになってもらうことで生涯価値を最大化できるという思惑。これこそ顧客生涯価値を念頭に置いたマーケティングプランと言えるのではないでしょうか。

まだ「ファン」でない顧客をできるだけ早く「ファン」にし、「ファン」をつなぎとめることで、企業は収益を最大化できるという、基本原理に基づく考え方のご紹介でした。

することはだいたいわかったけど何か良いツールとかないの?と思った方は、「まずは事例を見てみる」から資料をダウンロードしてみてください。
(「1to1マーケティングで顧客アクションを10%UPさせる Marketing Automationスターターガイド」)

出典:コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版

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フルタ

2005年早稲田大学商学部卒。プログラマ出身のデジタルマーケティングコンサルタント。 ウフルではマーケティングクラウド部に所属しており主にマーケティングオートメーションの導入を担当。お客様のマーケティングを日夜支援しています。
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