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基調講演:IoTでPoC貧乏にならないための3つの取り組み IoTパートナーコミュニティフォーラム 01


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2018年12月18日「IoTパートナーコミュニティフォーラム2018」がザ・グランドホールにて開催され、コミュニティで活動中の企業に加えて、IoTのソリューション導入を検討される企業の方々をお招きして200名を超える方々が参加しました。全21セッションのうち、今回は午前の開会挨拶と基調講演のセッションについてレポートします。

開催挨拶

まず初めには、パートナーコミュニティの運営企業の事務局を代表して、ウフル八子の挨拶で開会しました。IoTの目指すべき世界観や実現するためのPoCの重要性、PoCから商用化に結びつけるのが難しい現実、そして、それを乗り越えるために共創の場が必要であることを強調しました。また、その共創を実現する場としてDeCide(Decide、Collaboration、Innovation、Dream、Ecosystemの頭文字を取った造語)というコンセプトの元、IoTパートナーコミュニティが設立されたことについて紹介されました。

パートナーコミュニティの運営企業の事務局を代表して、ウフル八子の挨拶

IoTパートナーコミュニティの意義

IoTパートナーコミュニティは現在57社が活動し、3年目(半年をタームに活動しているので5期目)となり、9つのワーキンググループで活動を行っています。

結果を出すことを強く意識して活動しており、日本において57社で9つのワーキンググループを運営し、成果を出せているコミュニティは稀です。単純な情報交換ではなく、ビジネスを構築することにフォーカスし、顧客やテストベッド先の企業を融通したり、手弁当で持ち寄ったりすることで、機動力を保ちながらビジネスを構築することを目指しています。

IoTパートナーコミュニティ 現在57社が参加し、3年目、9つのワーキンググループが活動しています。

シーズン5で活動しているワーキンググループは、物流、IoT×AI、ヘルスケア、セキュリティ、ブロックチェーン、FoodTech、ウェアラブル、オフィスIoT、災害対策の9つで、様々なシチュエーション、様々な産業、様々な新しいソリューションを取り混ぜながら、ワーキングごとに創意工夫をし、お客様の課題を解決するソリューションの実装、実行、トライアルを繰り返しています。

このフォーラムでは、「成功体験だけでなく、他のメディアや活動では一般にはほとんど披露されない、苦労話や失敗体験もお伝えできればと考えています。パートナーコミュニティのメンバー企業と共に、ぜひIoTのビジネスを構築していただければと思っています。」(八子)

また、「すべてが繋がる世界こそが日本の未来を作っていくと考えており、パートナーコミュニティフォーラムが、事例を学び、交流し、新たなビジネスの種を持って帰ることのできる場となれば」と語りました。

NO IoT NO FUTURE

基調講演:IoTでPoC貧乏にならないための3つの取り組み

基調講演は、ネットコマース株式会社 代表取締役社長 斎藤昌義氏より、「IoTでPoC貧乏にならないための3つの取組み」と題して、PoC貧乏を通り越して絶滅という事にならないために何が必要なのかということについて、デジタル・トランスフォーメーションに造詣が深い斎藤氏ならではの観点でお話しいただきました。

IoTでPoC貧乏にならないための3つの取り組み

ビジネスの大変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション

まず、IoTとは何かについて、その結果として世の中がどのように変わっていくのかについて語られました。

ネットコマース株式会社 代表取締役社長 斎藤昌義氏

世の中のリアルな事象が、デジタルデータとして捉えられるようになり、現実世界のデジタルコピーがリアルタイムに生成されていく仕組みが整い始めています。このデータは膨大かつ多様なデータ形式を持つビッグデータで、またデータを解釈するための技術が機械学習であり、機械学習によって得られた結果を様々なサービスやアプリケーションに適用し、それが現実世界にフィードバックされます。

データ収集

「新たなサービスやアプリケーションによって現実世界に新たな変化を起こし、それが再びデータとしてネットに上がる循環のメカニズムが社会にできあがってきており、それがサイバーフィジカルシステムと呼ばれたり、IoTと総称されたりしています。」(斎藤氏)

IoTのデータを送り出す仕掛けや仕組みだけと捉えるか、サイバーフィジカルシステムとして捉えるかによって見え方が違なります。ビジネスの視点では、前者は大きなビジネスにならないので、後者のように広い視点で捉えるべきあり、社会に対してどのような変化を起こすのか大事で、それがデジタルトランスフォーメーションという現象であると説明します。

デジタル・トランスフォーメーションとは

「企業が生き残るために必要なのは、コスト削減でも生産性でもなく、スピードであり、そのスピードをどう実現するかというのが重要です。組織づくりや教育などは時間が掛かるが、ソフトウェアのコードを変えてアップロードするだけで新たなビジネスプロセスが作ることができる仕組みができれば、これほど即応力をもつ方法はありません。これは技術の話ではなく、経営や事業を改革する話です。」(斎藤氏)

デジタルトランスフォーメーション時代のビジネス戦略

近年成功している、UBER、airbnb、NETFLIX、Spotify、PayPalなどの振興企業が、デジタルトランスフォーメーションを実践していることを事例に挙げ、「表面的なサービスをだけでなく、バックグラウンドにある経営の思想やビジネスプロセスの有り様を見ていくこでデジタルトランスフォーメーションの本質が見えてくる」と言います。

デジタルトランスフォーメーションの実現にあたっては、従来のウォーターフォール型の手法では無理があり、ビジネスロジックに基づく、アジャイル開発、DevOps、クラウドをすべて揃えた上で、変更変化への柔軟な対応が可能で、新たな思想に基づく開発が必要になります。

PoC貧乏にならないためのポイント

PoC貧乏に陥らないためには、これまで話してきた世の中の流れをPoCに取り込む必要があり、「何のためにPoCを行っているのか」が重要で、デジタルトランスフォーメーションを理解した上で、実現に向けてお客様に自信を持って提言できる営業力や提案力が企業には求められていきます。

ネットコマース株式会社 代表取締役社長 斎藤昌義氏

新規事業が絶対にうまくいかないポイントがあり、「自分たちのできることから発想している」ということで、多くの日本企業では、自分たちのできる範囲の中で、自分たちに都合のよいお客様の顔を想像し、特にロジックもなく、説明しやすい形で経営者に上申し、判断を求めます。一方、米国のエンジェル投資家は「何やっているかよくわからないけどすごい。だから1,000万出そう」と投資判断をします。よくわかって判断できるということは新しいものではないということで、説明できないということが当たり前と考えるそうです。

「よくある失敗するPoCは、何かを解決/実現することではなく“使ってみる”ことが目的となっている。成功するPoCは、短期長期の経営課題や事業課題を解決することが目的となってます。」(斎藤氏)

失敗するPoCと成功するPoCの違い

斎藤氏はPoCを成功させるための3つのポイントを挙げ、「1つ目は、顧客価値(お客さまの事業価値)を明確にすること。『使えること』ではなく、結果としてこうなっていたいという『あるべき姿』を実現すること。2つ目は、提言すること。こんな『あるべき姿』を実現しましょうと提言すること。3つ目は、試行錯誤をすること。何が正解か分からないので、試行錯誤して、最適解を作り、実行し、確かめる。このサイクルを高速に回して、最適解をアップデートし続けること」と説明します。

お客様に求められるパートナーになるために

これから大切になってくることは、お客様の事業や経営の価値を意識できているか、お客様の個別の事業に配慮して提案ができているか、何よりも一緒になって成功しましょうというパッションをお客様に提供することができてお客様の良き相談相手になることができるかどうかが重要であるであると強調します。

「今日の話を聞いて、今の現実に違和感を持っているかどうかが重要であり、違和感を持たなければ前に進めない。ゴールに至る地図を描けているか、もし描けて進んでいる人がいれば向かい風を感じているはずである。もし向かい風を感じていなければ、なんにも進んでいないのと同じことである」と締めくくりました。

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