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「オープンイノベーションを通じた未来協創」「データ流通が創る未来」IoTパートナーコミュニティフォーラム 03


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2018年12月18日に「IoTパートナーコミュニティフォーラム2018」が開催され、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 矢澤雅之氏、一般社団法人データ流通推進協議会 理事および株式会社ウフル 杉山恒司の講演の模様をレポートします。

オープンイノベーションを通じた未来協創
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 経営企画部 プロジェクト推進グループ グループ長
矢澤雅之 氏

銀行と保険におけるでデジタル化

デジタル化によるビジネス面への影響として、銀行は機能毎に分解すると、預金・融資・為替・運用という機能になり、これまで一括して提供されていた商品やサービスを、細分化されています。さらに、FinTechの浸透により、銀行の機能が分解され、まるでスマホアプリのように、ユーザーが自由に組み合わせて利用できるようになってきており、またキャッシュレス化により、決済データのオープン化が進んでいると言います。

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 矢澤雅之 氏

一方、保険については、保険そのものがひとつの機能であり、一連の手続きの塊であるため、銀行機能のように細分化されておらず、その代わりに新しいコンセプトベースの保険として、面倒な手続きがデジタル化によって、簡便な手法で完結できる会社や機能が立ち上がっています。

「金融、保険の業界でユーザーに対する新しい価値提供の仕方が、どのようなインパクトを与え、どのようにイノベーションに繋がっていくのかを注視していくことが重要です。」(矢澤氏)

あいおいニッセイ同和損害保険が目指す「特色ある個性豊かな会社」の実現に向けた取り組みとして、業界4位の会社が上位者に勝っていくために、これまでとは違う競争軸で闘う必要があり、また外部環境の変化に対応していくために、体制だけではなく企業文化を変えていく必要性があると語りました。

オープンイノベーションの事例紹介

事例紹介に先立ち、あいおいニッセイ同和損害保険が目標としていることは、ユーザーを多く抱えるプラットフォーマーに利便性の高い保険会社になっていくこと、またプラットフォーマーが抱えるエンドユーザーに、これまでにない価値提供ができる保険会社になること、そして最終的には、保険事業のデジタル化を実現することと説明します。

IoT事業者向け保険

IoT事業者向け補償プランでは、「メーカーの商品開発機能のオープン化することができました。本商品は、コンセプト、設計、プロモーションまでほとんどの工程で、パートナー企業の協力があって、IoT事業を行う企業のニーズをダイレクトに反映した保険商品になりました。」と、パートナーシップとユーザー視点の重要性をついて語りました。

各業界むけの保険

ペット業界では、約1,000万人のペットユーザーを抱えるメディア事業を中心とする大手ベンチャー企業、PECO社とペットメディアを軸にした様々なサービスをバンドルしていくプラットフォームを構築しています。その上で、これまでにない新たな価値提供に繋がる金融保険サービスをデジタルな形で提供していきたいと言います。

住宅業界では、SOUSEI Technologyとの取り組みを紹介しました。SOUSEI Technologyは、住宅業界でシェアの大半を握っている中小の住宅ビルター向けに、住宅購入に関する手続きやタスク管理ができるアプリを展開しており、このアプリをインターフェースとして、火災保険契約の事務手続きの簡素化、デジタル化をしています。

物流業界での取り組みとして、日本最大の物流施設を運営している日本GLPからスピンアウトしたベンチャー企業、monofulと協業し物流向けテレマティクスサービスを紹介。最適配車、ドライバーの労務管理、荷待ち時間の削減、積載率の向上に取り組んでいくと説明がありました。

取扱事例「物流プラットフォーム」

自動車のテレマティクス領域でのポイント

自動車のIoT化によりテレマティクスサービス、モビリティサービスが生まれ、マネタイズポイントが自動車の所有から利用へシフトしています。それに伴い、自動運転などの技術進歩により、自動車保険も、これまでの事故を経験する約1割のお客様への安心の提供から、それ以外の9割のお客様に対して付加価値を提供していく必要があると言います。

事故を起こさない9割のお客様に対するテレマティクスサービスの具体例を挙げ、タイムリーにお客様と接点を持つことができ、そのデータから新たな価値提供ができるとし、これらの取り組みは日本・欧州・米国・アジアの4極体制でグローバルに推進しています。

現状のIoTに関する取り組みについては、「弊社ができることをお客様に提供しているに過ぎず、真の顧客理解に基づく、新しい価値提供となる取り組みにはまだ至っていません。今後は自社でできることに捕らわれず、様々なステークホルダー、事業パートナーの皆様とのオープンイノベーションによって、真の顧客理解に基づく価値提供につなげるようなビジネスモデルの構築、商品サービスの開発をしていきたいと考えています。」と述べました。

最後に、「IoTパートナーコミュニティを通じて、弊社だけではできなかった、アイデアを形にすることができました。引き続き、IoTパートナーコミュニティのオープンでフラットな環境で、皆様とビジネスを展開していきたいです。」と締めくくりました。

データ流通が創る未来 〜産官学民連携で実現するデータ主導社会〜
一般社団法人データ流通推進協議会 理事
/大分県 商工労働部 戦略アドバイザー/
経済産業省 九州経済産業局 九州IoTコミュニティ サポーター
/株式会社ウフル ディレクター 
杉山 恒司

石油からデータへ

2007年と2017年における時価総額の上位企業ランキングは、2007年はエクソンモービルやべトロチャイナなど石油の会社が上位にランクインしている一方、10年後は石油の会社はエクソンモービルのみとなっており、その代わりにアップルやアルファベット(Google)、マイクロソフトなどのデータを糧に伸びてきたIT企業がランキングを占めています。

その変化の理由は、これらの企業は”いち早く”魅力的なサービスを創造し、猛スピードで日々新たなサービスを提供し、人モノのデータを大量に収集・活用しているからと言います。

一般社団法人データ流通推進協議会/株式会社ウフル 杉山恒司

日本が目指すのはGAFAではない

ビッグデータの活用で勝者となったのはGAFA(Google、apple、Facebook、amazon)ですが、日本が目指すものは、彼らの実績を参考にしながらも、世論の不安を払拭しつつ日本流の戦い方を考えることが必要です。そのためには、「IoTパートナーコミュニティの理念と同様に産官学、業界、企業すべてが一丸となって連携すること、また、日本発の国際標準化を目指すべきです。」と語りました。

日本政府の考え方

内閣府、総務省、経済産業省それぞれの政府の方針・活動について次のように説明しました。

  •  内閣府:Society5.0として、現在の情報社会から次の社会、サイバー空間とフィジカル空間の境目がなくなる「超スマート社会」を目指す
  •  総務省:データ主導経済と社会改革として、現状個人からダイレクトに企業等に吸い上げられているデータを、消費者が自身のパーソナルデータを管理しコントロールする。または、データの提供の取り決めを行い仲介するようなデータマーケットプレイスを設ける
  •  経済産業省:Connected Industriesとして、様々な企業・人・データなどがつながり新たなサービスや付加価値を創出する。取組みの方向性としては、自動走行など5つの重点取組み分野を定め、一般社団法人データ流通推進協議会(以下、DTA)と連携しながら着手

一方、巨大プラットフォーマーへの規制についても2018年11月5日に経済産業省、公正取引委員会、総務省らが連名で公正かつ自由な競争の再定義を検討する旨を発表しています。

データ流通ビジネスとは

データ取引を構成する機能として、データを提供する、そのデータを受け取り活用する、データ提供者とデータ提供先を仲介する3つの機能があり、DTAはこれらのデータ取引市場全体を整備する団体として活動をしています。

これらのデータ流通が可能になるメリットとしては、今まで企業単独では入手不可であったデータが取得できるようになり、自社で使ったデータを再販(二次利用)も可能です。また、自社と他社のデータを掛け合わせて新しいサービスを開発できるといったメリットが挙げられます。

一方で、データ流通事業者には、中立性・公平性の確保、データ提供者には、自身のデータを想定外の利用をされるのではといった心理的抵抗感、データ利用者には、取得するデータへの品質への不安などの様々な課題もあり、それらを解決するためにDTAが誕生したと説明します。

データ取引市場を構成する3つの機能

DTAの活動内容と今後の実証実験の紹介

元々は、2017年6月より有志企業で立ち上げ作業を開始し、同年11月に社団法人化となり各メディアでも取り上げられ、総務省・経済産業省の連携チームの成果としても公表されています。

会員数は、2018年11月27日時点で126会員にのぼり、業界の壁をなくすといった理念に基づき、同業者であっても多様な企業が参画しているとし、活動内容としては、データ取引市場運営事業者の認定基準の策定などと述べ、今後は、IAJapanと共同でデータ取引市場を活用した実証実験を実施すると紹介しました。

最新動向

各企業がデータの利活用ビジネスに続々参入しており、データを生み出す側としても共有のプラットフォームを作ろうという動きとして、一般社団法人官民データ活用共通プラットフォーム協議会(DPC)が発足していることを紹介。また、注目すべきニュースとして、NTTが受注したラスベガスのAI案件については、取得したデータの所得権を放棄し、すべて政府にあげるというGAFAの逆を行く画期的な戦略と紹介しました。

「データ共有として一番重要な点としては、災害対策も忘れてはいけません。先の台風被害や水害被害もデータ共有できていれば、もっと迅速かつ適切に避難救助ができ、観光客へのケアをクリアできた可能性が高いです。」(杉山)

最後に、「そもそも人が1日24時間かかわる業界・企業は1社ではありません。子供の頃、SF小説で夢見たあの未来は、業界間・企業間でデータ共有することができれば、すぐにでも実現するはずです。」と締めくくりました。

 

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