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CXを推進するカスタマーサポート最前線レポート


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2019年9月18日、株式会社ウフルは「CXを推進するカスタマーサポート最前線」と題したセミナーを開催しました。その模様をレポートします。

はじめに、株式会社ウフル デジタルイノベーション事業本部 伊藤博美より、カスタマーサポート、あるいはカスタマーサクセスについて、それを実現している企業や支援しているテクノロジーベンダー、両者を橋渡しするインプリベンダーの3つの立場から、参加者のみなさまの課題や疑問の解決につながることを提供したいと、セミナーの趣旨を説明します。その上で「テクノロジーベンダーとインプリベンダー、ユーザー企業の三位一体のバランスこそが業務を推進・加速する大きなポイント」だと話しました。

“顧客の時代”のビジネスを支えるCX向上のためのIT戦略セミナー

株式会社セールスフォース・ドットコム 執行役員 アライアンス本部 ストラテジックアライアンス第四営業部 部長
松元洋治 氏

コンタクトセンターやマスメディアを利用した広告だけでなく、ウェブサイトやスマホアプリ、あるいはソーシャルメディアなど、顧客とのタッチポイントが増加したことで、顧客接点の変革に取り組む企業が増えています。

株式会社セールスフォース・ドットコム 執行役員 アライアンス本部 ストラテジックアライアンス第四営業部 部長 松元洋治 氏

「私どもが一番ホットなマーケットだと思っているのが、このカスタマーサポートの分野です。それはなぜかというと、環境がどんどん変わっています。セールスフォース・ドットコムは、その環境の大きな変化の基盤を顧客接点改革というキーワードで捉えています。」と松元氏は語ります。

カスタマーエクスペリエンスについて、顧客のジャーニー、顧客接点、顧客の体験の3つによって構成されているとし、この3つのそれぞれの状況をどう変えていくのかがカスタマーサポートにおける取り組みだと話します。

カスタマーエクスペリエンスに対する顧客側の期待値が上がっており、5~10年前と同じことをやり続けていると、消費者に「これは嫌だな」、と思われかねないと警鐘を鳴らします。さらに67%の顧客が「“すばらしい体験”にはより多く払う」と回答したアンケート結果を示しつつ、次のように述べました。

「安さだけではなく、カスタマーエクスペリエンスを大事にしている企業とつながっておきたい、その会社からさまざまなサービスを受けたいという消費者の気持ちが高まっている状況だと感じています。」

顧客体験がビジネスインパクトを与える時代に

では、具体的に顧客が求めるカスタマーエクスペリエンスとはどのようなものでしょうか。これについて松元氏は、一貫性のあるやり取りができるかどうかが重要だと説明し、以前話した内容が別の部署に伝わっておらず、こういったばらつきがあると、お客さまは離反していくと語りました。

セールスフォース・ドットコムでは、広告から店頭対応、デジタルコマースからモバイルアプリ、ソーシャルメディア、カスタマーサービスに至るまで、一気通貫で顧客との接点を改革できるソリューションを提供していると話しつつ、セールスフォース・ドットコムの強みを次のように解説します。

「一番の課題はシステムが分断していること。そこでマーケティング、eコマース、コンタクトセンターの3つの中心的なカスタマーエクスペリエンスを支える部門・機能の中で、システムを共有化する。その際、システムを自分たちの使いやすい形になるようにカスタマイズし、現場でどんどん進化させられること。これを実現しているのがセールスフォース・ドットコムのプラットフォームであり、私どもの強みになっています。」

顧客を中心としたカスタマーエクスペリエンス

ただ、実際にカスタマーサポートの取り組みを進める上では、さまざまなことを考える必要があるでしょう。松元氏はコスト削減と顧客体験・顧客満足の向上、収益向上、離職防止といった課題がサービス部門にはあると話し、それらを解決する上での傾向を示しました。

「まずサービスの業務改善に取り組むことで本業の付加価値が高まり、収益の向上につながります。生産性が向上すればコスト削減が果たせます。付加価値向上は働きがい、生産性向上は働きやすさにつながるため、従業員の満足度は向上するでしょう。その効果として顧客満足度の向上や離職率低減が期待でき、さらなる収益向上やコスト削減に結びつきます。」

サービス業務改善から収益改善までの傾向

しかし、顧客対応のためにコミュニケーターが複数のシステムにログインする必要があるなど、ITの使い勝手が悪ければサービスの業務改善は困難でしょう。松元氏は「デジタル改革にきちんと取り組むことで、顧客満足度と従業員満足度、企業の生産性を向上する改革をしていく。それによって4つの課題の解決が果たせるよい回転が生まれてきます。」と締めくくりました。

Amazon Connectで実現するカスタマーサービス

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 事業開発本部 プラットフォーム事業開発部 事業開発マネージャー Amazon Connect 羽富健次 氏

アマゾン ウェブ サービスでは数多くのクラウドサービスを提供していますが、昨今コンタクトセンター業界で大きな注目を集めているのが「Amazon Connect」です。このサービスが開発された背景について、羽富氏は次のように説明しました。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 事業開発本部 プラットフォーム事業開発部 事業開発マネージャー Amazon Connect 羽富健次 氏

「アマゾンのカスタマーサービスは数百万のお客さまに対応する必要があるほか、言語の数も数十種類になります。またスタッフの数は現在8万4,000人以上で、これから来るクリスマスシーズンでは10万人以上になると言われています。そのサービスのインフラが必要だったわけですが、世の中を見回したらなかったというのがオチです。それで自分たちで作りましたというものが、もともとのAmazon Connectのベースのテクノロジーであり、それをみなさまに使えるようにしたサービスがAmazon Connectです。」

このAmazon Connectには、コールセンターで必要となる機能があらかじめ組み込まれており、Amazon Connectには電話回線も含まれています。オペレーターの方のPCとヘッドセットがあれば、準備はそれで終わりで、Amazon Connectの魅力は、即座にコールセンターを開設できる点だといいます。

Amazon Connect 〜コンタクトセンター統合プラットフォーム〜

オンプレミスのシステムでコールセンターを立ち上げようとした場合、構築には長い時間を要します。オンプレミスでのシステム構築と比較し、「Amazon Connectであれば2~3分でこれができてしまいます」と羽富氏は話しました。

さらにAmazon Connectにはブラウザで操作するグラフィカルなインターフェイスが用意されていて、キャラクターベースの画面でコマンドを入力して設定する、といった難しさもありません。コールフローを簡単に設定することが可能なほか、テキストで入力した内容を読み上げるText to Speechも用意されています。

Amazon Connectを使って新規のシステムを立ち上げるデモを行い、立ち上げ、電話番号を取得し、着信した電話に出られるようになるまでわずか数分で構築が完了しました。

「たとえば、お客さまサポートのセンターを今すぐ立ち上げなければならないといったとき、すばやく立ち上げられてお客さまにサービスを提供できる。これがAmazon Connectのメリットです。Amazon Connectを使えばベーシックな部分はすぐにできるので、その先にあるどういった顧客体験を提供するかをぜひ考えていただきたい」と述べました。

セールスフォース・ドットコムが提供する「Salesforce Service Cloud」との連携も容易だと羽富氏は言います。Service Cloudの中にAmazon Connectのソフトフォンを埋め込むことも可能で、シングルサインオンでService Cloudにログインし、Amazon Connectまで利用できるようになります。また、着信したら顧客情報をポップアップするといったこともできるほか、通話録音をService Cloud上から再生するといったことも可能であると説明します。

このAmazon Connectで実現する将来の姿として、羽富氏が紹介したのはAIを用いた自動カスタマーサービスとスマホアプリ、サービスを統合したエコシステムです。その内容を説明した動画では、雨でクルマをうまく動かせなくなった女性がカスタマーサービスに連絡を入れるところから始まります。カスタマーサービス側では着信した瞬間に顧客情報や位置情報を把握した上でAIが応対、ロードサービスを提供する業者を引き当てるという内容です。

ユニークな点として感情分析の仕組みだとし、感情がネガティブかポジティブかを判断するだけでなく、その結果によって次に出す言葉や情報を変える、あるいはオペレーターが対応している場合であれば、こういう言葉を伝えた方がよいと表示するといったことが可能であると言います。

AIを活用したカスタマーサービス

最後に「Amazon Connectでは、これからオムニチャネルへの対応を進めるほか、AIやマシンラーニングの技術を使い、たとえばお客さまに合わせた電話のルーティングを行うといったことも視野に入れています。従来のスキルベースルーティングや待ち時間だけで判断するのではなく、そのお客さまに最適なオペレーターをアサインする、あるいはチャットボットをアサインするといったことも視野に入れています。」と締めくくりました。

お客さまのお声はダイヤの原石! HEAVEN JapanのCX実現への取り組み

株式会社HEAVEN Japan サービス部 CRM担当 村木亜弥香 氏

ファッション系や補整系とは異なる「適正下着」という新たなカテゴリーを確立し、成長を続けているのが株式会社HEAVEN Japanです。村木氏は、適正下着について次のように説明します。

「お客さまの身体に合う下着を適切な状態で着けていただく。着けることで本来のお客さまの美しさを引き出すことができる、そういった下着を適正下着と呼びます。適正下着を着けられたお客さまは、シルエットがすごくキレイになり、着けた瞬間、服を着た瞬間に笑顔になられる。弊社はそんな適正下着を1人でも多くの方に届けたいと考えています。」この適正下着において、難しいのはフィッティングだと村木氏は話します。

株式会社HEAVEN Japan サービス部 CRM担当 村木亜弥香 氏

「靴と同じように、適正下着のフィッティングはとても難しいのです。1つのシリーズの商品で36SKUある下着もあり、サイズの提案がお客さまに求められています。」

同社では顧客1人1人との関係性を大切にしたいと考えていたと言いますが、以前は顧客情報、あるいは顧客と会話した情報などがすべてバラバラの状態だったと村木氏は話します。そこで導入されたのがセールスフォース・ドットコムのService Cloudでした。

「Service Cloudの導入目的の1つは顧客管理で、その中でもお客さまの声の見える化と、それを基にした適正下着の実現です。さらに、よりハッピーを広めていくためのオムニチャネルの実現、そしてフランチャイズ化でした。」

Service Cloudの導入をリードした村木氏は、まず組織の現状を整理し、さらにロードマップを作成しました。その上で下着を通して喜びや感動を届けていくために何が必要か、どうしていくべきなのかを見える化したと言い、次のように続けました。

「さらにService Cloudを導入することで、バラバラに散らばっていた注文情報やサロンの試着カルテの情報、カスタマーセンターに寄せられる相談など、お客さま情報を一括にすることで、販売部では試着履歴を活用した商品ごとのサイズ提案、サービス部ではどのような場所でもリアルタイムに連携した接客など、やりたかったことを実現できるようにイメージしました。」

3カ年計画 ロードマップ(巻物)

さらに社内のヒアリング、そして会社としての3年後のビジョンを掘り下げ、どのように情報を管理すべきかなどを検討した上でService Cloudが導入されました。その成果の1つとして挙げられたのが、顧客対応のスムーズ化です。

「顧客情報を統一して整理したことにより、どのタッチポイントで連絡を頂いてもリアルタイムな応対ができるようになり、対応のスムーズ化が実現しました。また折り返しの電話がなくなり、お客さまをお待たせしていた時間を1件あたり約10分間短縮できています。同時に紙のカルテ保管がなくなったことで、個人情報の管理という部分でも透明性が生まれました。」

オムニチャネルの実現を通して業務効率化・個人情報管理

顧客の声を基にしたサイズ表を作成し、それによって顧客満足度も高まったと村木氏は語ります。

「お客さまの体験から適正サイズを可視化したことで、独自のサイズ表をブランドごとに実現しました。たとえばナイトブラという夜に着けるブラジャーのサイズ表はJIS規格に沿って作成していましたが、弊社のお客さまの声や体験に基づいて独自のサイズ表を作成したところ、交換率が4.94%から0.27%まで減少し、リピート率や約2倍に上がりました。またサイズ表どおりだったというお客さまの声も55%から75%にアップしています。」

今私たち 〜適正下着〜

このようにService Cloudの導入は大きな成果を生み出しましたが、一方で次なる課題として応対品質の向上が浮かび上がったとします。

「商品開発時点から丁寧に作り込んだ適正下着は、フィットしてこそ意味があるものですが、その提案を強化していくためには応対品質を向上させる必要がありました。ただ従来は接客評価ができる環境がなかったため、Amazon Connectを導入することに決めました。」

Amazon Connectを選定した理由として、Service Cloudとの連携が容易であったこと、そして低コストで利用できることが挙げられました。また手軽に導入後のイメージが掴めたことも大きく、導入がスムーズに進み、当初は3カ月ほどの予定が、実際には1カ月という短期間で導入できたと言います。

「Amazon Connectを導入したことで、今まで見えていなかった対話の声を確認できるようになりました。接客の見える化も実現し、接客の品質やレベル向上のためにどこにアプローチするかを明確にできました。」

最後に村木氏は「Service CloudやAmazon Connectのおかげで、適正下着の最適な提案の実現に向けた施策が前に進んでいます」としつつ、「今後のCXプロジェクトでも、商品やサービスの利用、使用後のサポートまで多角的に評価し、競合との差別化を実現していきたい」と述べてプレゼンテーションを終えました。

ウフルが推進するマルチクラウドソリューションの取り組み

株式会社ウフル デジタルイノベーション事業本部 事業戦略部 アカウントセールス室 アカウントリーダー 山田真也

最後に登壇した株式会社ウフルの山田真也は、まず自社のビジネスの業務効率を上げたいと考えるのであればクラウドを組み合わせることが重要だと話し、その意図を次のように説明しました。

「マルチにクラウドを活用するのは、課題をスピーディに効率よく解決するための手段の1つだと思っています。1つのクラウドで頑張ってできることもありますが、効率が悪いことが多く、また時間もかかります。それよりも、複数のクラウドを組み合わせた方がビジネススピードや業務効率を上げられることが多いと考えています。」

株式会社ウフル デジタルイノベーション事業本部 事業戦略部 アカウントセールス室 アカウントリーダー 山田真也

また、株式会社HEAVEN JapanのAmazon Connectの導入事例はウフルがサポートしたものであると紹介し、ここでもクラウドサービスを組み合わせて要望を実現したと語りました。

「HEAVEN Japan様では予約システムをお持ちなのですが、それとService Cloudの連携をAWSを介して自動的に連携したり、来店されるお客さまにAWSで構築したアンケートフォームに事前に回答していただき、その内容をService Cloudに登録するといったことを実現しています。」

HEAVEN Japan様コンタクトセンター導入事例

さらにウフルの得意な領域として業務に即した課題の解決を挙げ、情報システム部門や経営層、マーケティング部門、現場担当者など、さまざまな部門、立場の人からの相談を受けていると話します。そして具体的な支援の方法として、ビジネスコンサルティングや技術アドバイザリー、開発支援などがあると説明します。

まず、ビジネスコンサルティングと技術アドバイザリーについて、「新規のサービスをやりたいというお客さまに対し、ビジネスモデルのグランドデザインを一緒に考えるところから始めることが多い」といいます。

伴走支援型については「課題と要望はあるが、自分たちだけではうまく回らない場合にご支援する場合で、一緒に業務フローの整理から膝を突き合わせながら進めます」と述べました。そのほかの形として、アジャイル開発型もあると話します。

「お客さまのチームと一緒に開発をアジャイルで行うというものです。スクラムマスターを中心に同じ目線でプロジェクトを進めていくところがポイントだと思います。」

アジャイル開発

システム開発支援型は、用意したプロトタイプに触れることで運用開始後を顧客にイメージしてもらいつつ、必要な機能を順次開発するというものです。これについて山田は「業務分析をしながら、必要な機能を洗い出し、プロトタイプを作っていきます。それを触ってもらいながら必要な機能を洗い出し、順次開発を進めていく形です。」と説明しました。

システム開発支援型

またシステム納入後の定着支援なども行っていると話し「お客さまやトレンドに合わせた個別セミナーを開いたり、ウェブ配信を使ったウェビナーも行っています。このように、開発から納品後までいろいろな形でご支援させていただいています。」と、講演を締めくくりました。

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