コンセプトを固めることの重要性

普段から業界問わず、クリエイターインタビューものの記事を読むのが結構好きなのだが、少し前に非常に良い記事があったのでご紹介したい。
ちょうど大型連休明けのリセットされた頭で、何かを考える上で参考になれば幸いである。

抽象的なコンセプトを厳密に定義する

今回ご紹介させていただくのは、毎年3月に行われている Game Developers Conference におけるとある講演の一つ。
元記事はこちらをご参照いただきたい。
「ゲームかぁ、関係ないな」と思った方、内容的には特に対象を問わない点が多いので是非ご一読いただきたい。

さて、重要な点はこの記事の冒頭から早速書かれている。

「触った瞬間に楽しい」を実現するためにまず最初に「理想をイメージすること」。これは「自分達の中で何が良くて,何が悪いかを決めておくこと」、続いて、「できたものに対して的確な指摘ができるかどうか」

(※記事内より部分的に抜粋)

このように、コンセプトとして「触って楽しい」という些か抽象的なキーワードを置きながら、それに対してしっかりと「どのように」を定義することの重要性が語られた講演となっている。

気の短い方のために記事の内容を要約すると、対象となるゲームは所謂アクションゲームとしての形態をとったものになるのだが、触って気持ちいいを実現するための定義として、操作に対して反応がすぐに返ってくる、攻撃の当たり判定が出るまでは10/60フレームとし、その中で分岐フラグを設けて敵を追従させることでアクション成功となる要因を増やす、といった調整を行っているという話だ。

ブランディングやマーケティングでも同様

昨今のブランディングやマーケティングにおいては、マルチチャネル化が益々進行した結果として、それぞれのチャネルごとに異なるチームを編成して対応することも決して少なくない。
こういった際に、しっかりとコンセプトを定義して同期を図っていくことは非常に重要だ。
多くの場合、社是やタグラインなど会社ごとの方向性を示すキーワードは存在するものの、それを体現するための条件を定めておかないと、どうしてもブレが発生してしまう。

もちろん、施策レベルでの有効な設定などはこういった条件とは別に考えるところとしてはあるだろう。
例えばソーシャルマーケティングであれば返答の有無やその期限。会員サイトであればランク区分け。広告であればセグメントの分け方、等々。しかしながら、ただ効率だけでそういったものを設定してもうまくいかないこともあるし、時として二律背反する複数の選択肢も存在する。
こういった選択肢の中で、何をOKとし、何をNGとするか、その線引きを決めるに当たって、コンセプトの定義が有効になってくるのだ。
OK_NG

先の記事の例でいうと、アクションゲームでの「触って気持ちいい」は昨今の流行りとしては「重い一撃を打ち込める」という所を重視するゲームなども多い中で、そういった点よりもキビキビとした動きを作ることとして定義され、そのためのテクニカルな数値まで落とし込まれている。

身近に考えるなら商品名

商品名などを例に考えたほうが分かりやすいかもしれない。
覚えやすい語呂、省略形が作りやすいなど、様々な選択肢がある中、一般消費者寄りの特に生活の中で商売を行う会社はストレートに効果を表すそのままの名前を付けるし、よりハイブランド志向なところは敢えて想像させるような名前を付ける。

ここにロゴやプロダクトデザインが絡むことでより具体性が増してくる。
例えば、煩雑に並べられた中で商品名が目立つことを一義とする場合もあれば、可読性や視認性を優先する場合もある。
img_zu-con

こういった選択もまた、コンセプトあって初めて固まってくるものであるし、それを続けることでブランドができる。
逆に、コンセプトに継続性がないと一発屋で終わるということもある。

しっかり定義されたコンセプトがあるからこそ、ブレることなく継続することが可能であるし、それがしっかりとテクニカルな数値まで落とし込まれているからこそ、多チームに渡っても同じ感覚で捉えることが可能になる。

小手先のテクニックを重要視して、その場は成果を出せても、長い目で見ると失敗となることもある。結局のところ、ライフタイムバリューを考えることが重要ということだ。
そんな取り組みでコンセプトを重視してここ1年ほど展開してきた施策事例もあるので、近い未来にご紹介できれば幸いだ。

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タナカさん

兵庫県出身。2003年東京外国語大学大学院修了(学術修士)。ウフル・マーケティングインテリジェンス本部(旧マーケティングクラウド本部)のたぶんちょっとエライ人(弊社CSOの田中正道とは別人)。 データドリブンなマーケティングに関して、その仕組みの設計からクリエイティブまで経験。趣味はバルトやデュルーズといった現代思想の研究から草の根音楽活動までと多岐に渡る。要するにオタク。

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