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「EY新日本企業成長サミット2017 スタートアップ成長の秘訣」レポート

2017年3月7日「EY新日本企業成長サミット2017 スタートアップ成長の秘訣」が開催され、パネルディスカッション「AI/IoT時代におけるビジネスディベロップメントのポイント 〜なぜPoCはマネタイズにつながらないのか〜」に、BizMobile株式会社 代表取締役 ファウンダー 松村淳氏と共に、株式会社ウフル IoTイノベーションセンター所長 八子が登壇した。

まず、モデレータのEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社 ディレクター 園田展人 氏より、AI/IoTをどういう経営課題の解決のために使うかというところで、実際の事業を行っている二人に質問が投げかけれ、ウフル八子は以下のように語った。

IoT/AIがもたらす大きな価値

AIを使うにあたって、前提としてデータが必要であり、AI/IoTがもたらした大きな価値は、リアルワールドとデジタルワールドが一つになる、いわゆる「デジタルツイン」にある。IoTによってセンシングしたデータによりシミュレーションをすることが可能であり、経営の観点では次にどんな手を打てばよいのか、もしくは事故が起きた場合にどんなインパクトがあるのかを予測して備えることができる。つまり未来を予測し、それをどのように経営に生かしていくのかが、IoT/AIがもたらす大きな価値である。

事業化に向けて、陥りがちな「IoT闇のトンネル」を回避するには?

しかしながら、商用化に向けて大きなハードルがある。PoC(概念実証)を行う段階で、将来像が曖昧で目的もはっきりしない。その後PoCを行っても、事業化もしくは全社に展開できないことがよく起こる。

本来であれば、全社のプロジェクトを行う時点に、現場が抱えている課題に着目するところから初めて、予算規模や投資の回収も含めたシナリオを作る必要があるのだが、PoCの段階ではほとんど想定されていない。PoCを終えて、事業化に進む段階でステークホルダーが増えてまとまらなくなり、なかなか進まなくなることがある。

いかにして、このPoCの後の「IoT闇のトンネル」を回避するのか。それは、荒くてもいいのでPoCの段階でシナリオづくりを始め、部門間で合意を得ておくことが必要である。

1つのインフラにビジネスモデルを重ねる、IoTにおける投資の回収モデル

マネタイズに関しては、ある都市で行っている事例を紹介する。その都市では、様々なIoTを持ち込んで新しい環境をつくる「スマートシティ」のようなモデルを行っている。その際、インフラを各社がばらばらに作ると、そのコストがかさみ、投資の回収など、ほど遠い状況に陥ってしまう。

そこで、共通のネットワーク、クラウドのプラットフォームといったインフラ部分を共通化・共有化し、アーキテクチャ、セキュリティ、運用を統一した上で、アプリケーションやサービスによって各社はビジネスを行い、投資を回収する。つまり、オープンなプラットフォームで統一して、インフラを様々な事業者で一緒に投資する。

そして、事業者には負担の少ない月額課金をし、税収によってそれを補填し、オープンなプラットフォームを広告モデルへ転用して広告料を得る。1つのインフラの上にいろんなビジネスモデルを重ねていくことで、投資を回収することができる。これは街のインフラに限ったことではなく、商店街であったり、工場であったり、さまざまな場所で適応できる。

学習させていないAIは、無能である

AIは何でもできるというイメージを持っている方が非常に多いが、学習させていないAIは、はっきり言って無能である。AIに学習させるデータをもっている企業でないと、AI/IoTには取り組めない。なので、データをもっと集めておく必要がある。そして、ある程度データが集まってきたら、予測モデルを立て、AIによってシナリオメイクができるようになってくると、データがお金に替わってくる。

まずはやってみる。失敗しても、それが学びとなる

もうひとつは、たくさんの企業と一緒にビジネスを立ち上げていかなければいけない。例えば、昨年ウフルが発起人として、マルチレイヤーの方々と一緒にビジネスに取り組むコミュニティを立ち上げた。現在は7つのワーキンググループがあり、すでにブロックチェーンを用いた宅配ボックスなど、世界初の取り組みが生まれている。

こういった形で、スピーディに結果を出し、出した結果を外販していく。そして、注目を集めて効果を実感することが重要である。最後に確立されたモデルや事例は、どんどん真似をして早くやったほうがいい。やらない理由を並べるぐらいなら、やって失敗した方が学びがある。特にAIにとっては、その失敗したことが蓄積されたデータとなって学びとなる。それが我々の取り組みの結果であり、メッセージでもあります。

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