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顧客対応の迅速化・正確性の向上、コミュニケーションを進化させたマルチクラウド戦略

中央電力株式会社では、複数のSalesforce製品を組み合わせて活用するマルチクラウド戦略を打ち出し、情報の一元化・顧客対応履歴等の活用による品質改善、ビジネスパートナーとの連携強化、各種業務の改革、新規ビジネスの早期立ち上げなど、様々な成果を実現されています。そのマルチクラウド戦略への取り組みについてご紹介します。

2004年に国内初の「マンション一括受電サービス」を事業化し、国内でトップクラスのシェアを有する中央電力。法人・個人向けの電力小売事業をはじめ、様々なビジネスを展開することで業績を確実に伸ばし続けていました。

サービスの多様化による顧客の拡大、情報一元化が急務

中央電力株式会社は、マンションなどの集合住宅1棟分の電気を電力会社から一括購入することで単価を抑え、割安な電気を各世帯に提供する一括受電サービスを事業化し、国内で高いシェアを占めています。またEV/PHEV充電設備の導入・運用支援やBCP対策など、マンションに関する付帯サービスも提供しています。
更に同社は、それらの事業で蓄積したノウハウを活用し、電力の小売事業、電気保安管理・電気工事・システムなどのサービスを他社へ提供するなど新たなビジネスを展開しています。
積極的な事業展開で業績を確実に伸ばしてきた反面、社内ではサービス拡大に伴う顧客の多様化への対応が必要だと考えるようになってきました。

実際、現場では、システムに起因する問題がしばしば発生していました。
例えば、営業部はSFAツールを使って顧客の情報などを管理していましたが、他の部門では別のツールを利用しており、部門間の情報共有がうまくいかない状況が散見されていました。顧客情報の鮮度管理が十分でなく、前の入居者に電話をかけてしまうなど、お客様に迷惑をかけてしまうケースも発生していたとのことでした。
そのような状況を改善するため、Salesforceの全社展開を決定しました。

Salesforceの活用により顧客対応改善と営業活動の効率化を実現

同社は、問題解決のためには営業活動だけでなく、アフターフォロー・カスタマーサービスまで幅広く対応できるシステムの検討が必要と考え、他のシステム連携・拡張性の柔軟な対応、豊富な活用実績の観点よりSalesforce Service Cloudを選定しました。

全社にライセンスを付与し、Chatterによる社内通達やコミュニケーション、勤怠や経費精算を連携し、社員の業務ポータルとして活用を開始しました。
新たなシステム導入においては、定着化が課題として考えられますが、同社においても同様な懸念がありました。そのため、あえて「Salesforceを開かないと仕事が開始できない」という環境を作りました。すべての業務システムへの入口となるポータルページをSalesforce上に準備したのです。また経営陣が情報管理強化の方針を同時に打ち出し推進したことも、スムーズな導入・定着化を後押ししました。

「レポートやダッシュボードによる、リアルタイムでの数字確認ができるようになり、レポーティングに関する業務の工数が月に約16時間も削減が出来るようになった」

導入後、これまでバラバラに存在していた、各システムや基幹システムをService Cloudと連携、異なるツールでの情報管理を廃止し、不動産情報・商談・契約などビジネスに関する情報を集約・一元化を図りました。
成果は、顕著に現れ、必要な情報に必要な時に誰でもアクセスが可能となり、社員・部門間による連携がスムーズになり、コミュニケーション・情報取得コストが大幅に削減されました。
また、同社は、コールセンターシステムとService Cloudを連携し、顧客対応の迅速化かつ品質の向上も実現しています。顧客から着信があると、顧客情報や過去の対応履歴などがポップアップ表示されます。オペレーターは情報を検索することなく、ポップアップ画面を確認しながら迅速かつ的確に対応することが出来るようになりました。

Salesforce起点で新たなビジネスを実現

さらに同社は、2021年にMarketing Cloudを導入し、顧客とのコミュニケーションを格段に進化させました。これまでは、アナログの手法がメインだったコミュニケーションが、Service Cloudと連携してMarketing Cloudを活用することで、契約書・請求などに関するやり取りを実現、さらに新商品やキャンペーン、アンケートなど必要なお客様毎に最適な施策を適切なタイミングで行うことで、ニーズへの期待や満足度の向上に繋げています。これにより、高いエンゲージメントを維持するコミュニケーション基盤が構築できました。現在では同社が運営するお客様向けポイントサービス「リコラポイントモール*」とも連携し、更なるコミュニケーション強化に取り組んでいます。

また、ビジネスパートナーとのコミュニケーションにおいても、Experience Cloudを活用し、確実な成果をあげています。
電気設備の保安点検業務において、外部委託の技術者にiPadを貸与し、現場での点検記録や帳票出力などを行っています。漏電など緊急度が高い情報については、技術者にアラートを飛ばし、Experience Cloudを介し密な連携を実現しています。
さらにはこの保安点検業務で蓄積されたノウハウをパッケージ化し、「保安Plus」という電気保安業務管理システムをAppExchangeとして提供するなど、新たなビジネスの展開へも繋げています。

複数のSalesforce製品を連携したマルチクラウド環境を確立し、確実な成果を上げている同社ですが、次なる活用拡大も検討しており、Marketing Cloud Account Engagement (旧 Pardot)を利用したBtoBマーケティングへの取り組みにも挑戦しています。

Salesforceの製品は一貫した思想で作られているため、マルチクラウドとして使いやすいだけでなく、利用の方向づけもしやすいと評価しており、短期間での事業立ち上げや事業成長への貢献を期待しているとのこと。今後も積極的な活用を推進していきたいと考えているといいます。
*リコラポイントモール https://point.licolla.jp/

ウフルがご支援したこと

ウフルは、中央電力株式会社のマルチクラウド戦略を環境構築・各種連携、活用提案・支援を提供させていただきました。
中央電力において構築されたSalesforceシステムは多岐にわたりますが、お客様の情報を中心に各種連携して構築・活用されており、セールスフォース・ジャパン社が提唱するSalesforce Customer 360を体現されている先進的な取り組みです。

=中央電力がウフルで構築されたシステム=

Service Cloud 顧客マスタ・SFA・コールセンターシステム・CTI連携
Experience Cloud 保安点検管理システム
Marketing Cloud 個人のお客様向け会員管理とマーケティング
Marketing Cloud Account Engagement
(旧 Pardot)
BtoBマーケティング
Salesforce Shield 内部監査、証跡管理
TeamSpirit 勤怠管理・工数管理・経費精算

会社概要

中央電力株式会社は、2004年に国内で初めて「マンション一括受電サービス」を事業化した業界のリーディングカンパニー。法人・個人向けの電力小売事業など、新たなビジネスを積極的に展開している。
事業内容:マンション一括受電サービス事業、電力小売事業、ライフサポート事業、ビジネスサポート事業

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