診査医手配業務をSalesforceで開発、業務の効率化・迅速化・人為ミス低減を実現

保険の診査センター株式会社（以下、保険の診査センター）では、生命保険加入時に必要となる各種検査に関わる診査の受付、迅速な診査医の手配、診査実施と結果報告をサービス提供しています。
生命保険会社の依頼に応じて、全国に配属されている診査医師を手配し、被保険者の事務所や自宅で、診査、心電図検査、血液検査等を行います。
この診査医手配業務の一部において、Salesforceを導入、業務の中核を担う仕組みを構築し、業務効率化と品質向上を同時に実現しています。

導入背景

同社はこの診査医手配業務において、これまでは、Googleカレンダーによるスケジュール調整、生命保険会社ごとに異なる契約内容に応じた料金算出システム、各社への請求管理システムなど異なる仕組みにて運用していました。
診査医手配業務は、診査業務の根幹であり、迅速な対応・結果報告を掲げている同社において、この業務の効率化が課題の一つでした。

複数のシステム（カレンダー・診査医マスター・料金マスター・請求システムなど）を横断する運営は人為作業となるため、受付から請求管理まで一連の業務において業務負荷が高いだけでなく、不備があれば煩雑な手戻りが発生していました。また書類の不備や不在等、被保険者の理由でキャンセルが発生することがあり、こちらも異なるシステムを横断して対応していたため、手間のかかる作業となっていました。さらに提携生命保険会社毎に異なる契約に基づくキャンセル料金算出、各種対応の連絡など、レギュラーケース以外の対応に時間がかかり、改善を検討していました。

また東日本大震災の経験から生命保険会社各社がBCP対策で本社機能を分社化したりして対応するなか、診査医手配業務のBCP対策として、クラウド上のシステムへ移行することはSalesforce導入の大きな動機の一つでした。

導入システム概要

同社が選択したのは、Salesforceによる診査医手配業務の開発でした。
予約受付から、提携生命保険会社への請求管理まで一連の業務機能をSalesforceで構築。
ウフルでは、業務内容の整理からSalesforce基本機能のカスタマイズとカレンダーの開発をご支援しました。

＜基本機能のカスタマイズ＞
取引先・取引先責任者・案件のオブジェクトのカスタマイズ
カスタムオブジェクトへの対応
Salesforceからの帳票出力

＜個別開発＞
Googleカレンダーに代替えされるカレンダー機能・画面をSalesforce上に開発
地域・出張交通費・検査種別による料金の自動算出
予約（案件オブジェクト）における独自画面開発

＜システムのイメージ＞

SalesforceというとSFAのイメージが強いですが、Salesforceの魅力の一つに「バラバラに管理していたデータや情報を一元管理できる」というプラットフォームとしての視点があります。
今回のケースでは、Salesforceを開発プラットフォームとして選択し、SFAの基本機能を活かしつつカスタマイズすることで、個別開発を最小限に抑えたスピーディーなシステム構築を実現しました。ウフルでは、Salesforceの提案にあたり、「Salesforceで出来ること」ではなく、「Salesforceで何が実現できるのか」と思考の幅を広げ、お客様のビジネス変革を支援できるよう既成概念にとらわれない考え方のもと提案を実施しています。

導入効果

・被保険者および生命保険会社の依頼対応の迅速化
・勤務可能な診査医把握・予約内容の効率化と料金計算の自動化による人為的ミスの低減
・請求・報状発行の迅速化

診査医手配業務の業務ポータルとして、活用しています。
これまで異なるシステムを横断していた業務をSalesforceに集約して自動化することで、作業効率の大幅な改善を実現し、人為的ミスのリスク低減につながりました。
また細かな検索要件を設定することで、診査予約日に適した診査医のみを抽出、予約を確定することで、迅速な対応を可能にするだけでなく、請求や報状までを一貫して行える環境を実現しています。
現在では、業務に必要不可欠なシステムとして運用しています。単なる業務システムとしての運用だけではなく、Salesforceに蓄積されたデータによりダッシュボードにて、各診断医のアサイン状況や業務におけるボトルネックの把握など、分析にも活用の幅を拡大しています。