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SDGs授業で情報ポータルマップ「elcompath(エルコンパス)」活用、学生自ら持続可能な地域づくりへ 

和歌山県立箕島高等学校(森文哉校長、生徒119人)は有田市社会福祉協議会と協力し、生徒たちが自ら調べて考える「探究学習」を取り入れながら持続可能な社会目標(SDGs)課題解決に向けたカリキュラムに取り組んでいます。

生徒たちは防災や高齢化、環境問題など様々なテーマごとにチームに分かれ、それぞれの観点から地元有田市が抱える課題を出し合います。「高齢者が住みやすい町とは?」「地震が起こったらどこに避難すればいい?」「皆が安心して暮らせるまちにするにはどうしたらいい?」など、自分たちの身の回りの問題点を様々な視点で話し合った後、スマートフォンを手に実際に町へ繰り出します。

■ フィールドワークで「elcompath(エルコンパス)」を活用

「elcompath」に情報を投稿する生徒

「こんなところに大きな段差がある。車いすの人には危ない」「急な坂がある。足が悪いお年寄りは上りづらい」あるチームは高齢者目線で町を歩くことで、これまで気付くことのなかった様々な問題を発見します。一方、別のチームは避難所への道が整備されていないことを発見し「いざとなった時避難し辛いのでは」と被災時を想定した視点で問題に気付きます。
生徒たちは自分たちの住む町を実際に歩きながら、その場で見つけた課題をそれぞれのスマートフォンで撮影し、画像やコメントを地図ポータル「elcompath」に次々と投稿していきます。

生徒たちが投稿した情報

「elcompath」は複数人が同時多発的に一つの地図上に画像やコメントを投稿でき、書き込まれた情報は別の場所にいる他のグループの生徒たちや指導教員がリアルタイムに閲覧することができます。そのため、離れた場所にいても皆が一つの地図を囲み、一斉に書き込んでいるような感覚でそれぞれの投稿を可視化し、リアルタイムに情報を共有することができます。

「私たちの時代はなんでも紙に書きこんでいましたが、これからの生徒たちのことを考えると今までの古典的な授業スタイルを変えていかなければいけない。」今回のフィールドワークでタブレットやスマートフォン利用を推進した教員の山田氏はこう話します。

離れた場所にいてもリアルタイムで情報共有が可能

■ 生徒たちの参加性を高め「自分ごと」化する

「elcompath」に情報を投稿する生徒

「教員からの一方的な指導だと生徒たちはやらされていると感じてしまいがちです。今回のフィールドワークで活用した「elcompath」は、生徒たち自らが投稿したものがリアルタイムにスマートフォン上に反映されていくため、彼らの参加性が高まりました。また、別のチームの活動も同時に見られるので「あっちのグループはこんな発見をしている」と生徒たちのモチベーションを高め、積極性を引き出すことができました。」(山田氏)

今回の取り組みをサポートする有田市社会福祉協議会の宮本氏は「福祉は”自分ごと”にすることが重要なんです」と語ります。「まずは子供たちにいろんな視点に立って考えてもらうことが大切なんです。我々が授業をするのではなく、実際に高齢者の話を聞いたり、今回のように高齢者目線で町を歩いたりして視点を変えることで、彼らの中で折り合いを付けることができていく。」様々な立場の人との交流や、フィールドワークを通じて体験することがポイントだと話します。

フィールドワークを終えた今、「elcompath」上には300件を超える生徒たちの気付きの声が反映されています。「社会をよりよくしていくのは偉い人ではなく一人ひとりの市民。誰かが声を上げないと何も変わらないということを子どもたちにも気付いてほしい。福祉教育は結果がすぐに出るものではないですが、今回得た気付きを誰かに共有することで生徒たちの中に何か変化を起こせればと思います。」(宮本氏)

今回の授業では生徒たち自らが情報をまとめ、問題点や解決策を話し合った結果をプレゼンテーション形式で全校生徒向けに発表する予定です。

■ 教育から防災まで様々なフィールドを支える「elcompath(エルコンパス)」

情報ポータルマップ「elcompath」はブラウザを介して利用できるため、特定のアプリのダウンロードやアカウント登録を必要とせず、誰でも気軽に使える利便性が特長です。他の地図サービスとは違い、目的に応じて必要な情報だけを表示・投稿できるシンプルな仕様のため幅広い分野で受け入れられています。

 「elcompath」は教育から防災まで分野を問わず活用できる汎用性が評価されており、今回のような教育分野から、非常時のハザードマップや避難所情報を示す防災分野、地域のローカル情報や魅力を示す観光分野、さらには自動運転やシェアリング車両の所在地を可視化するMaaS分野など、様々な分野で活用されています。

学校概要

「凜烈の意気」を校訓とし、機械科、情報経営科、普通科普通コース、普通科スポーツコースと3学科2コースがある高等学校。全国大会に出場するなど部活動にも力を入れる。令和3年4月から「地球市民プロジェクト」を立ち上げ、活動している。

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