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Salesforce導入で業務効率改善に終わらない、受注につながる営業支援システムを構築

テレフレックスメディカルジャパン株式会社 様

テレフレックスメディカルジャパン株式会社 オペレーション部部長 菊地隆太郎 氏(写真左)
ビジネスディベロップメント プロジェクトマネージャー 遠山文規 氏(写真右)

企業の成長期に見合ったシステムとしてSalesforceを選択

テレフレックスメディカルジャパン株式会社は、全国で大規模な病院から街の開業医まで様々な医療現場にクリティカルケア製品を展開している。M&Aを積極的に行って製品ブランドの取り扱い数を増やすなどして直近の2年で売上を2倍近くに伸ばしており、企業としてもここ2、3年間は成長期のさなかにいる。

企業が成長期に入ったことは、数年間アップグレードされていなかった同社の社内ポータルと営業支援システムを全面リニューアルさせるきっかけにもなった。当時の業務状況は極めてアナログ的で、その状況についてプロジェクトマネージャーの遠山氏は「経費精算などの事務処理は紙で行われていたし、営業案件は一元管理されていないために個々にメールや電話で情報収集する状況でした」と振り返る。

業務プロセスの効率化はシステムリニューアルの必須要件であった。加えて、備忘録に過ぎない状態で貯まっていた営業活動の記録を案件受注に活用することも求められた。「案件の受注・失注理由は何だったのか、どういうアクションをとれば受注につながるのかを明確に把握できるようにしたいと考えていました」(菊地氏)。

プラットフォームの選定にあたり、「実際に使う社員が、システムを導入してからいかに早いタイミングで使いやすさを実感できるかを重視した」と菊地氏は語る。比較検討した結果、社内ポータルの代替として早期導入が見込めるチームスピリットが利用できることと、営業活動や製品情報など多岐にわたる情報を同じプラットフォームで管理できることが決め手となり、Salesforceを選択するに至った。

実現したい要件が多岐に及ぶため、リニューアルは段階的に進める計画を立てた。導入段階に応じた費用負担で済むことも、Salesforce導入をさらに後押しする要因となった。

社員がリニューアル効果を感じやすい、事務タスクの効率化から着手

システムリニューアルは全部で4つのフェーズに分けて実施された。第1フェーズは、チームスピリットによる勤怠管理・就業管理・経費精算の自動化と申請フローの導入。Salesforceの便利さを社員に実感してもらいやすいところから業務改善を進めて、Salesforceの操作に慣れてもらうことを狙いとしていた。全国にいる社員に使い方を浸透させるべく、マニュアルの作成や複数回にわたる説明会実施は丁寧かつ慎重に行ったという。

続けて取り組んだ申請フローの導入では、依頼フォーム作成は1週間程度で終えられた一方、病院や製品の情報をインポートするのには相当の時間を要した。「これらのデータはほとんどExcelで管理していたので、名寄せなどインポートのためのデータ整備が非常に大変でした。ウフルさんにもデータ整備にご協力いただけて大変助かりました」と、遠山氏は当時の苦労を述懐した。その苦労は現場の声で報われた。「データのインポートをした後、申請データの作成が楽になったとの声をもらったので良かったです」(遠山氏)。

現場の声を聴きながら、受注につながる最適な営業支援システムを構築

続く第2フェーズでは、案件と営業活動情報の一元化に取り組んだ。当時の営業支援システムにも案件管理機能はあったものの事実上使われていないうえ、営業案件情報は月次報告資料でしか存在していなかった。「当時の営業支援システムでは個別の営業活動単位でデータがある状態でした。ですから、同じ病院の活動であっても、それらがひとつの案件に関連した活動であるか否かは目視で確認しなければならなかったのです」(菊地氏)。

システムの大枠は2ヶ月ほどで完成したが、案件単位の定義や入力項目といった細部は、営業の現場から意見を聴いたり情報の活用状況を確認したりしながら、徐々に固めていった。営業メンバーの入力習慣化にも力を注いだ。リニューアル前は電話報告や月次単位での報告で済んでいたため、Salesforceへの入力を面倒に思う人も少なからずいたという。彼らに対して、随時入力して報告する流れに変わったことの意味や効果を根気よく説く必要もあった。月次のエリアリーダー会議では、遠山氏自らSalesforceの使い方や活用方法をレクチャーしたり、エリアリーダーからの要望を聴いたりしたという。

第2フェーズとほぼ並行して、第3フェーズでは輸入・販売する医療機器の情報管理を行った。医療機器を製造元から輸入・販売するには、製品の製造販売承認等を申請し、国が定めた品質システムの基準にあわせて検査や受注などを行い、手順書や出荷判定などの記録を事細かに残す必要がある。書類に残された膨大な数の情報をSalesforceにまとめたことで、検索スピードが向上した。製品のスペックや承認申請履歴、出荷や貸出などといった製品の動きが、格段に確認しやすくなった。

大規模リニューアル成功の鍵は「使う立場にある社員との対話」

リニューアルを進めた結果、Salesforceを軸にして業務プロセスが効率よく回るようになった。システムリニューアルに立ち会った経験がない社員が多い中で大規模なリニューアルを成し遂げた要因を「使う立場にある社員との対話」にあっただろうと菊地氏は推察する。「リニューアルの成否のキーは、ユーザーが新しいシステムに対して便利さを実感してくれることにあるのではないでしょうか。便利さを感じないと結局ユーザーは使ってくれなくなりますから。これから先は、いかに今の状況を持続させるかが大事になってくると思っています」(菊地氏)。

リニューアルは現在、第4フェーズに突入している。営業活動や案件進捗などの分析を強化すべく、MotionBoard Cloud for Salesforce(ウイングアーク1st株式会社 提供)を導入し、本格運用を始めたところだ。「導入してまだ日が浅いですが、タイムリーかつグラフィカルにデータを確認できるようになっています」と遠山氏は手応えを感じている。「運用が進めば、新製品の導入も今以上にスムーズかつ戦略的に進められるのではないでしょうか」と、リニューアルしたシステムの今後の活用に期待を寄せていた。

会社概要

医療機器のグローバルリーディングカンパニーで米国に本社を置くテレフレックス社の日本法人として1988年に設立。テレフレックス社は世界28カ国に拠点を持ち、150カ国で事業展開をしている。血管アクセスやインターベンショナルアクセス、手術、麻酔、心疾患治療、泌尿器治療、救急医療、呼吸器医療をはじめとした幅広いソリューションを提供している。売上の多くを占める中心静脈カテーテルに関しては、国内、国外共にトップクラスのシェアを誇る。

事業内容: 医療機器の輸入・製造・販売

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