データ爆発時代における、データ活用のためのIoTの必要性
データ爆発時代の到来
データが爆発的に増加する時代が到来しています。2013年に米国EMCが”Digital Universe”と名付けた全世界の年間デジタルデータ総生成量は、IDC Japanの最新の発表によると、2025年には2016年比でおよそ10倍の163ZBになると試算されています。年間に生成されるデジタルデータの爆発的増加は、宇宙の膨張のごとく、もはや私たちには想像がつかない量となっているのです。
記号 | 読み方 | 乗数 |
---|---|---|
KB | キロバイト | 103 = 1,000 |
MB | メガバイト | 106 = 1,000,000 |
GB | ギガバイト | 109 = 1,000,000,000 |
TB | テラバイト | 1012= 1,000,000,000,000 |
PB | ペタバイト | 1015= 1,000,000,000,000,000 |
EB | エクサバイト | 1018= 1,000,000,000,000,000,000 |
ZB | ゼタバイト | 1021= 1,000,000,000,000,000,000,000 |
デジタルの世界では、発生するデータ量は試算が可能です。たとえば動き回る自動車の一例として、BMW7シリーズでは1時間で1TBのデータを生成することが試算できています。一方で、大規模なオフショアの製油所では1日に1TB、比較的国土の小さなシンガポール政府で1日に数TBのデータを生成することがわかっています。
自動車がたった1時間で1TB生成することを考えると、モビリティのあるものはそれだけで位置情報や環境把握情報などが激増するため、データ量が多くなりがちだということがわかります。移動体の最たるものでは航空機がありますが、フライト30分で10TB、1日の総フライト数25000便のエアラインが生成するデータの総量は、実に数PBにおよぶと言われています。
ほとんどのデータは捨てられている
それらの様々なデータを足し合わせていくと、1日あたり2EBのデータが世界中で生成されていると言われています。しかし、実は私たち人間がそれを活用できているのは、その中のわずか5%に過ぎないのです。(SOURCE:シスココンサルティングサービス)残り95%のデータは捨ててしまっているということになります。
データには、分析することで私たちが気づいていなかったような示唆を得られる有意義なものと、そうでないものがあります。 後者は捨ててもよいとして、前者については私たちが実時間の中で経験できることが限られている以上、そのデータから何らかの示唆を得ることで、成功した・失敗した理由を知りたい、さらにうまく行くためにはどうすれば良いのか学びたい、と考えるのはきわめて当然の流れでしょう。
データは自らを写す鏡
言わば、データが経験であり、知見であり、学びの師であり、自らを写す鏡とも言えるのではないでしょうか。データに関しては、使えてないばかりか、私たち人間がキャプチャできていないか、さらに悪いことに、まだ見えていない・把握できていないということも数多いのが実態だと思われます。
データの収集・分析・フィードバックの一連の流れを実現するための取り組みこそが、IoTの基本的な考え方となります。様々な機械の動作の様子、設備の稼働状況、人の動きなどをデータとして吸い上げて見える化し、過去データや他企業のデータと比較・分析し、ビジネスや私たちの生活に役に立てて行くことこそが、望まれる方向性なのです。
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