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今さら聞けない「クラウド型コンタクトセンター」とは?
5分でわかるメリット・デメリット

「デジタルトランスフォーメーション(DX)」  「クラウド移行」

ビジネスの世界では、こうした言葉が毎日のように飛び交っています。しかし、「言葉は知っているけれど、具体的に自社のコンタクトセンターにどう関係するのか、今さら人には聞きづらい…」と感じている責任者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、そんな方々のために、「クラウド型コンタクトセンター」とは一体何なのか、なぜ今、多くの企業が移行を急いでいるのか、そのメリットと注意点を誰にでも分かるように解説します。


そもそも「クラウド型コンタクトセンター」とは?

非常にシンプルに例えるなら、「自社でDVDプレーヤーとDVDソフトを買う(オンプレミス型)」か、「Netflixのような動画配信サービスを契約する(クラウド型)」かの違いです。

オンプレミス型(従来型)
自社のオフィスやデータセンターに、PBX(電話交換機)やサーバーといった物理的な機器を設置し、ソフトウェアのライセンスを購入して運用するモデル。ハードウェアもソフトウェアも「所有」します。

クラウド型
インターネット経由で、サービス提供事業者が用意したコンタクトセンターシステムを利用するモデル。物理的な機器を自社で持つ必要は一切ありません。システムを「所有」せず「利用」します。


つまり、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもコンタクトセンター業務が行える。 これがクラウド型コンタクトセンターの基本的な仕組みです。

なぜ今、移行が加速しているのか?
クラウド化がもたらす5つのメリット

では、なぜ多くの企業がクラウド型へ移行しているのでしょうか。それは、単に「流行りだから」ではありません。ビジネスに直結する、明確なメリットがあるからです。

1. 圧倒的なコスト削減と柔軟性

高価なハードウェアを購入する必要がないため、初期投資(CAPEX)を大幅に削減できます。また、料金体系はオペレーターの利用時間や回線利用料に応じた「従量課金制(OPEX)」が主流。需要の波に合わせてコストを完全に変動費化できるため、無駄な支出をなくし、コスト構造を劇的に改善します。

2. 最新AI技術との簡単な連携

クラウドサービス提供事業者は、音声認識、チャットボット、通話分析といった最新のAIサービスも開発しています。クラウド型コンタクトセンターは、これらのAIサービスと非常に親和性が高く、レゴブロックのように簡単に「プラグイン」して活用できます。

3. ビジネスの俊敏性(アジリティ)の向上

IVRフローの変更や、新しい窓口の設置などを、IT部門に頼らず現場の管理者自身が、Webブラウザ上の簡単な操作で即時に行えます。これにより、ビジネスの変化にスピーディーに対応し、機会損失を防ぎます。

4. 場所を選ばない働き方の実現

インターネットとPCさえあれば、オペレーターは自宅やサテライトオフィスなど、どこからでも業務が可能です。これにより、優秀な人材の確保、BCP(事業継続計画)対策、オフィスコストの削減など、多くの効果が期待できます。

5. 常に最新・安全なシステム

システムのバージョンアップやセキュリティパッチの適用は、すべてサービス提供事業者側が自動で行います。自社のIT部門は面倒な保守・運用業務から解放され、より戦略的な業務に集中できます。

デメリットや注意点はあるのか?

もちろん、メリットばかりではありません。検討する上で知っておくべき注意点も存在します。

インターネット回線への依存

サービスの安定性は、自社のインターネット環境に左右されます。安定した高速回線の確保が前提となります。

カスタマイズの制約

非常に特殊で複雑な要件がある場合、オンプレミス型の方が柔軟なカスタマイズが可能なケースもゼロではありません。

セキュリティへの懸念(と、その真実)

「データを社外に置くのは不安」と感じる方もいるかもしれません。しかし、主要なクラウドサービス提供事業者は、世界最高水準のセキュリティ対策を講じており、多くの場合、一企業が自前で構築するよりも堅牢なセキュリティ環境が手に入ります。

まとめ

クラウド型コンタクトセンターは、もはや一部の先進企業だけが導入する特別なものではなく、これからの時代の「スタンダード」です。

それは単なるITインフラの刷新に留まりません。コスト構造、顧客体験、従業員の働き方、そしてビジネスのスピードそのものを変革する、極めて重要な「経営戦略」と言えるでしょう。

問われるべきは「クラウド化すべきか否か」ではなく、「いつ、どのようにクラウド化を進めるべきか」なのです。


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