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【セミナーレポート】人とテクノロジーの連携で実現するFMソリューション


2020年6月30日(火)、株式会社ウフルでは、井上哲也によるオンラインセミナー
「ファシリティマネジメントセミナー -人とテクノロジーの連携で実現するFMソリューション-」を開催しました。

ウフルの強み

IoTの構造は、下図ののように大きく3つのレイヤーに分けられます。

マシンや対象機器にセンサーを取り付けることでデータとなり、データは集約され可視化されることで意味を成す情報となります。意味のある情報に至るまでの経路はさまざまであり、図内グレーの矢印がおおよそのプロセスです。レイヤーごとにプロセスを見てみましょう。

ひとつ目は図内1番下、エッジの層です。各種センサーやカメラなどが、このレイヤーに含まれます。ふたつ目は、エッジから飛んできたデータをインターネットに飛ばすネットワークのレイヤーです。三つ目のレイヤーは図の1番上、インターネットやクラウドです。

ウフルでは各レイヤーについて技術や知見をもっており、これら3つのレイヤーを繋げて最適なIoTシステムを提案できることを強みとしています。

商業施設での実証事例

実例として、ある商業施設で行ったセンシング実績を紹介します。課題となっていたのは、ファシリティマネジメント事業の人手不足。そのため、「設備業務」、「警備業務」、「清掃業務」をセンサーにより省人化する取り組みを行いました。

一点目は、ゴミ箱の清掃業務の効率化です。ゴミ箱を上から映す位置にカメラを設置することを提案。ゴミ箱の開口部とゴミをそれぞれカメラで可視化しました。これによりゴミがいっぱいになるタイミングでアラートが出せるようになり、定期清掃から適宜清掃に変更可能になりました。

二点目は、火の元の監視業務です。中華料理店で取り組みを行いました。火災の原因のひとつに、火をつけたまま人が離れ、加熱され続けた食材が炭化し発火、その炎がダクト内の油汚れに引火するというものがあります。そこで、以下のセンサーを準備して試しました。

・人感センサーと炎センサー
・非接触型温度センサーと光電センサー
・検証用記録機器(ネットワークカメラ)

市販品の炎センサーでは、予想をくつがえす結果が出ました。火がついていない時間帯に誤検知されていたり、反対に火がついているのにも関わらず検知されていないタイミングがありました。

一方、温度センサーは非接触で温度を測る放射温度計で、温度変化の推移がグラフによって読み取れます。調理中の鍋の温度だけではなく、鍋を外したあとの五徳の温度を検知したり、煮込み料理などおおまかな調理内容までわかるといった気づきが得られました。ここに光電センサーを加えることで、人のいるいないも判定可能となりました。温度の閾値を超えた際はアラートを鳴らし、さらに周辺に人がいないと判断された際はセンターへ通知する運用が想定できます。光電センサーについては、実証実験中に人が触れたりモノが当たったりすることで照射角度がずれることがありました。そこで実証実験では、この非接触型温度センサーとカメラの組み合わせが最適だと判断しました。

ウフルFMソリューションについて

実証実験の結果やお客様のご要望、現場で独自に気付いた点を踏まえてまとめたのがウフルのFMソリューションです。ソリューションのコンセプトは、以下の2点です。

1:テクノロジーと人は補完関係、テクノロジーで人の能力を拡張できる
2:デジタルの浸透と繋がる世界、分散する情報をつなぐことで新たな連携を生む

ウフルでは、上記コンセプトを基に、現場の能力を拡張できるテクノロジーを提供しています。テクノロジーを利用することで、業務の効率化が可能となり、リモートでベテランと新人がやり取りをできるなど、知の共有も実現します。その結果、企業が抱える人手不足解消に繋がります。

ウフルのFMソリューションは、ファシリティマネジメントの主力業務である「設備」「警備」「清掃」が対象です。主な内容は下図の通りです。

テクノロジーを利用することで、これまで移動や伝達といった間接業務にかけていた時間を、直接業務に割り当てることができます。

設備や警備業務の場合、巡回型からリモート型へ切り替えることで、移動にかけていた時間はデータを観察する時間に回せます。

備品の補充業務のタイミングの最適化も、センサーを導入することで可能となります。商業施設では、クレーム防止のためにトイレットペーパーが残っている段階で廃棄、補充しているケースが多く、紙資源のロスに繋がっています。補充の適切なタイミングでアラートする仕組みを導入することで、無駄なく効率的に交換できます。

参考に、ウフルが入居するビルでトイレットペーパーの廃棄ロスを試算したところ、下図の結果が出ました。資源ロスだけではなく、費用面でも大きな効果が見込めることがわかります。

外部から作業員を招いて行う作業の立ち合い業務も、タブレットを利用することで、保守員は複数の立ち合い業務を担当できます。タブレットには作業中の録画機能のほか、テレビ通話機能も持たせることで、リアルタイムで確認したい場合も遠隔でやり取りが可能で効率的に点検作業を行えます。

清掃業務では、一日当たり30分組み込まれている伝達報告業務をデジタル化することで、大きく効率化が図れます。控室に数台の報告用タブレットを置いておき、伝達事項を出勤時に聞いて仕事を開始し、退勤時にあらかじめ用意した設問に音声入力で報告を実施します。入力された内容はそのままデジタルデータとして、日報月報にも簡単にまとめられます。

新型コロナウイルスで注目されている環境のモニタリングも可能です。すでに屋外でモニタリングしている事例はありますが、加えて屋内の空気質もモニタリングすることで、健康志向の高まりに応え、換気がされている建物を評価する指標としても期待できます。

ARオーバーレイは、背景のリアルな画像に重ねて数値や説明等のデジタル情報を表示できる仕組みで、センサーや計器が示す数値のオーバーレイ表示、あるいは数値の変化をグラフにしてオーバーレイ表示することができます。これにより、現地でもリモートでも同じ情報を共有でき、ベテランがリモートから画面上で直接レクチャーすることが可能となるのです。

企業のバリュー

FMソリューションの企業に対するバリューは、2点の課題解決です。

【課題】
・要員確保の難しさから新規開拓にまで手が回らない
・ベテランが不足しており、現場オペレーションに余裕がない

オフィスや商業施設が入る複合施設において、設備業務では、全体の業務時間のうち19%が立ち合い業務でした。リモート型に移行することで、この19%が効率化の対象となります。

また、同じ複合施設の清掃業務では、全体の業務時間のうち16%が伝達業務でした。現状は、クルーからクルー長まで上下どちらか一方からのライン伝達、またはクルー長による一斉伝達が一般的です。これらの伝達フローには時間と手間がかかるだけではなく、聞き漏らしたといった伝達漏れにも繋がるおそれがあります。伝達フローをデジタル化することで、即時伝達が可能となるほか、後から再度確認することもできます。また、報告内容がそのまま記録に残ることから正確性も担保できるでしょう。

FMソリューションの展開を検討している方は、まずはお気軽にウフルにお問い合わせください。機密保持契約を結んだ上で、規模感や設備の種別や数量、シフト表など必要な情報を共有いただきます。その上で視察をし、概算見積をご提示致します。

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