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問い合わせ対応件数が前年比146%を実現 
CTIとCRMを活用しデータの一元管理と活用
【Amazon Connect × Salesforce連携】

株式会社ビルバックジャパン

株式会社ビルバックジャパン ビジネスオペレーション部 QC&CSマネージャー 伊藤祐有 氏

Amazon Connect × Salesforceにより、問い合わせ対応件数が前年比146%に。CTIとCRMを活用し、データの一元管理と活用に着手

フランスに本社を持つ日本法人、株式会社ビルバックジャパン。動物用医薬品等の輸入販売という事業柄、異なるセグメントの顧客からの問い合わせ対応に課題を抱えていました。Amazon Connectの導入、すでに利用していたSalesforceのCRMとしての活用支援をウフルに依頼しました。

錯綜する問い合わせフローの改善のため、CTI導入が必須だった

ビルバックジャパンへの問い合わせ元はペットオーナー、動物病院の獣医師や看護師、卸代理店の3つのセグメントに分類されます。加えて、2017年からはコンシューマー向けにEC事業の展開も開始し、問い合わせ件数は年々増加していました。顧客の問い合わせ窓口は、大阪・横浜・相模原の3カ所です。しかし、ビルバックジャパンにはCTIのシステムがなく、自動音声ガイダンスや録音機能のないオフィスの電話機で対応している状況でした。

「相模原はEC事業開始時に増設した問い合わせ窓口です。大阪は製品についての窓口、横浜オフィスはエスカレーションが基本の場と切り分けていましたが、問い合わせをするお客様にとってはわかりづらい状況でした。異なる窓口にかかってくるケースも多々あり、問い合わせフローは錯綜。結果、お客様をお待たせしてしまったり、社員間での顧客情報の伝達がスムーズにいかなかったりと、大きな課題意識を持っていました」(伊藤氏)

EC事業を開始した2017年当時、当面はコンタクトセンターのシステムなしで何とかしようと考えていたビルバックジャパン。しかし、実際には「1~2年で限界を感じた」と伊藤氏は語ります。

そこで、CTIの導入を検討開始。マイナス面の課題解決に加え、これまで実施できていなかった問い合わせ内容と顧客情報を紐づけることでサービスをより向上させたいというプラス面での効果も期待しました。
株式会社ビルバックジャパン ビジネスオペレーション部 QC&CSマネージャー 伊藤祐有 氏

ウフルのフォーラムで知ったAmazon Connectの導入を決断

CTI導入に際し、ビルバックジャパンが重視したのは、以下の5点です。
 ①複数拠点対応
 ②異なるセグメントの顧客対応
 ③少ないオペレーターでの対応
 ④予算を抑えてのスモールスタート
 ⑤Salesforceとの連携
また、Salesforceをすでに導入していたことから、クラウドサービスであることも前提にしていたと言います。

「2010年から使ってきたSalesforceに電話情報を入れ、一元管理したいと考えていました。SalesforceやCRM自体への理解が浅く、取引先情報や製品の情報入力、営業部からの各種申請など活動の為のオブジェクトや入力項目などを無理のあるカスタマイズで使っている状態で、正直Salesforceの機能を使いこなせていないと課題意識を持っていました。CTI導入を機に、SalesforceでCRMをきちんとしたいという話も社内で持ち上がっていたんです」(伊藤氏)

CTI探しは難航。ビルバックジャパンが掲げる条件を満たせるものに出合えず、苦労したと伊藤氏は振り返ります。

「フォーラムに行くたびに資料をもらい、5種類以上目を通していましたが、トライアルにこぎ着けたのはひとつだけ。しかし、自分のパソコンに入れてみたところ、ネットワーク調整のためフランス本社のIT担当に話を通さなければならず、英語の仕様書が必要となることもネックでした」(伊藤氏)

最終的に、ビルバックジャパンの候補に上ったのはAmazon Connectでした。Amazon Connectの存在を知ったのは、2019年9月にウフル本社で行われたセミナーだったと言います。SalesforceとAmazon Connectを連携することでコンタクトセンターが構築できる点や、Amazon Connectの従量課金に魅力を感じた伊藤氏。社に情報を持ち帰ったところ、上長から10年前にSalesforceの導入をした際に依頼したベンダーがウフルだったことを知らされます。

「上長の反応からも、ウフルさんにお任せして大丈夫だろうと感じました。2019年9月に行われたセミナーの中でAmazon Connectが紹介され、セミナーの盛況ぶりから時代はAmazon Connectだと感じられたことも後押しになりましたね」(伊藤氏)

11月、ウフルの営業担当者から改めて話を聞いたのち、契約。2019年12月には3日間かけて、コールセンターのアセスメントを行いました。

「業務を洗い出し、Amazon Connectを含めた複数のソリューションから改めてフラットに選択する機会をいただきました。結果、やはりAmazon Connectの導入を決定。年明けから要件定義をしていただきました。」(伊藤氏)

Salesforceを導入した10年前は、導入後のイメージが湧きづらかったこともあり、具体的な要望があまり出せなかったビルバックジャパン。今回のAmazon Connect導入では、解決したい課題、実現させたい内容が明確になっていたため、要件定義時に要望を伝えやすかったと言います。

「ウフルさんには、問い合わせ対応の組織自体もコンサルティングしていただきました。その結果、CTIを導入してCRMと連携させることは急務だと再認識しましたね」(伊藤氏)

2020年3月には開発スタート。4月に完成後、5~6月にかけてテストを行うのが、当初描いていたスケジュールでした。しかし、4月には緊急事態宣言が発令。幸い、スケジュールの進行に大きな影響はなく、予定通り4月には納品を完了、5月にはオペレータートレーニングを実施しました。

緊急事態宣言中は在宅勤務となり、大阪・横浜のオフィスは封鎖。電話問い合わせ対応の休止を余儀なくされます。そこで、ビルバックジャパンでは当初予定していなかったテキストでのWeb問い合わせフォームをSalesforceで設置することにしました。

「Salesforceを利用しているので、問い合わせ内容が履歴として残せます。電話対応ができるようになってからは、通話の情報も一元管理が可能に。連携を進めていて良かったと思いました。また、Web問い合わせフォームを用意した結果、電話件数の軽減にもつながり、オペレーターの負担低減につながった点も利点でしたね」(伊藤氏)
株式会社ビルバックジャパン ビジネスオペレーション部 QC&CSマネージャー 伊藤祐有 氏

問い合わせ対応件数は146%増加、エスカレーション案件対応時間は63%減少

2020年5月からは、Amazon Connectを大阪・横浜のオフィスと在宅の両方で運用スタート。新型コロナウイルス感染症の影響により、相模原は8月までAmazon Connectの導入を再調整することとなり、対応可能な残り2拠点を先行して運用させるための措置でした。相模原を抜いたフロー作成の要望に対し、「すぐに対応していただけて助かった」と伊藤氏は語ります。10月には相模原でも電話対応をスタート。11月にはコンタクトセンターの本格始動に至りました。

Salesforce × Amazon Connectでの運用を開始した結果、問い合わせ件数は前年比の146%を達成。対して、エスカレーション案件の対応時間は前年比のマイナス63%と、大きな成果を出しています。

現場で応対するオペレーターからも、Salesforceへの連携により働きやすくなったと喜びの声が寄せられていると言います。「顧客情報が紐づけられているので、電話がかかってきた段階で顧客情報から応対内容の推測や心の準備ができる点もメリットですね」と伊藤氏は語ります。さらに、一次対応者から担当者に電話内容を伝達する際、口頭によるやり取りでは意図が正しく伝わらないことがある点も課題でしたが、この課題も解消。録音データを聞き直すことで、正確な意図を把握した上で引き継いで対応できるようになりました。

正確な情報の伝達、エスカレーション案件の対応時間減少に伴い、お客様の満足度も高まったと実感。対応全体の品質向上にもつながっています。

拡張性の高さがSalesforce × Amazon Connectの強み

SalesforceとAmazon Connectの連携後、現在進めているのはSalesforceのCRMとしての活用促進です。Amazon Connect導入でのウフルの対応から、Salesforce全般に関しても引き続き依頼することに決めたと伊藤氏は語ります。

「Salesforce × Amazon Connectの開発後もメンテナンスをしていただき、伴走支援に大変助けられています。対応を信用し、かねてより着手したかったSalesforceのCRMとしての活用支援も全般的にお任せすることにしました。移行したいと思いながらも保留になっていたSalesforce Lightningへの移行も、今回のコンタクトセンター構築を機にようやく実現しました」(伊藤氏)

カスタマイズを重ねた結果かなり複雑化していたSalesforceを整え、CRMとしてきちんと活用できるよう、ウフルと定例の場を設けながら取り組みを進めています。

今後について、「やりたいことはたくさんある」と語る伊藤氏。会話や感情の分析・可視化やAIチャットとの連携などAmazon Connectのプラスアルファ機能の活用、コンタクトセンターのオペレーターへのマナートレーニングなど、着手したいことが山積しています。

「動物病院への営業担当を、SFAとしてあらためて管理していきたいとも思っています。ただ、これまでのやり方を一方的に変えるのでは抵抗感があるとの考えから、営業が行っている管理方法を取りまとめ、ウフルさんと一緒に進めていこうとしています。また、ナレッジオブジェクトに、現在入っているECの取り扱い製品以外も入れ、営業やマーケティングの担当者も確認できるようにしていきたいですね」(伊藤氏)

SalesforceとAmazon Connectの2種をそれぞれ拡張していくだけでも、やれることは数多くあります。「使用サービスを増やすのもいいのですが、その分使いこなしたり把握したりするのが難しくなる側面があります。SalesforceとAmazon Connectは拡張性の高さが強みですね。この先にできる可能性すべてを理解しているわけではないので、何ができるのかを教えていただくところから、今後も一緒に取り組んでいただけたら嬉しいです」と語る伊藤氏。新たな期を迎える2021年も、ウフルと共に課題解決に取り組んでいきます。

会社概要

ビルバックサービス

ビルバックはフランスに本社を置く動物薬メーカーグループで、世界30カ国の子会社を通し、100カ国以上の市場に進出。現在、世界の動物薬メーカーの中で唯一の動物薬専門メーカーである。
1992年に誕生したビルバックジャパンは日本市場において、動物用医薬品以外でも様々なヘルスシーンに対応したケア&サポート製品を取り揃えている。また近年では従来の動物病院を通じた製品供給だけでなく、獣医師が推奨する製品をペットオーナーがオンラインで購入できる通販サービス「ビルバック®サービス」も展開している。

事業内容:動物用医薬品等輸入販売

Amazon Connect コンタクトセンターソリューション

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