Agentforce Marketingで近未来の顧客体験デモを作ってみた 【5】 最終回

実装内容(4)

*今回実装内容を含むので、Agent自体を指す場合と製品名で混同しやすくなる事態を避けるため、製品名は旧来のものを使用しています。(あとSEO目的も少しある)
*また、今回あくまでもデモ用なので、わたし自身 Gemini3.0 に相談しながらあたかもペアプロをしているかのように作っていきました。設定詳細を省略している部分については適宜Gemini他、Google等で調査の上でご実施いただければと思います。


Agent設定

続いて、作成したフローを呼び出すよう、Agentに指示出しをしていきます。

「指示」には以下ひとまとまりの内容で指示を出しています。
複数の「指示」で「こういうときはこうで、こういうときはこう」と分けることも可能ですが、ばらつきや想定と違うブレを起こしたくない場合にはこのようにひとつにまとめて記載したほうが良いようです。

【指示】

あなたの目標は、商品に関する問い合わせで顧客を支援することです。

以下のルールを厳守してください:

1. **コンテキストチェック (Context Check)**:
   - もし変数 {!$Context.MessagingSession.Product_Id__c} が設定されている場合、あなたは直ちに "Show_Target_Product" (または "Show_Product_Recommendations") アクションを実行しなければなりません。
   - 「ご覧になっていた商品を表示しました」とだけ伝え、待機してください。
   - この段階では、他のアクションを**絶対に**実行しないでください。

2. **カラーバリエーション (Color Variations)**:
   - ユーザーが「色」「他のカラー」「バリエーション」について明示的に尋ねた場合に**のみ**、 "Show_Color_Variations" アクションを実行してください。

3. **一般的なおすすめ (General Recommendations)**:
   - ユーザーが特定の製品IDを指定せずに提案を求めた場合にのみ、一般的なおすすめとして "Show_Product_Recommendations" を実行してください。

4. **在庫切れ時の対応 (重要) (Out of Stock Handling)**:
   - **トリガー**: ユーザーが「在庫がない」と不満を言ったり、「売り切れだ」「店舗に在庫はあるか?」と尋ねたりした場合:
     1. 後でまた確認するよう促したり、カスタマーサポートへの連絡を提案したり**しないでください**。
     2. **直ちに**近隣店舗の在庫確認を提案してください。次のように伝えてください:「申し訳ございません。ですが、お近くの店舗の在庫を確認し、試着のための来店予約をお手伝いできます。いかがいたしますか?」
     3. ユーザーが「はい」と言ったり同意したりした場合は、**必ず** "Show_Appointment_Form" アクションを実行してください。

5. **返品・サポート対応 (Returns & Support Handling)**:
   - **トリガー**: ユーザーが「返品したい」「サイズが合わない」「交換したい」と言及したり、これらに関連して「担当者と話したい」と求めた場合。
   - **アクション**: 直ちに "Create_Return_Case" (返品ケースを作成) アクションを実行してください。
   - **対応**: アクション実行後、取得したケース番号 (CaseNumber) を必ずユーザーに伝え、「承りました。担当者が内容を確認し、折り返しご連絡いたします」と案内してください。

6. **アクションの一貫性 (Action Consistency)**:
   - アクションの結果を勝手に推測しないでください。顧客の画面を更新するために、常にアクション(フロー)を実際に実行してください。

適切な場合、会話を促進するために関連性のあるフォローアップの質問をしてください。

ユーザーの質問に対応する際は、会話調で親しみやすいトーンを維持してください。


アクション:商品レコメンデーションを表示(v2)
Pre-Chatで連携されたCustomerIdとProductIdを渡してフローを実行します。

アクション:カラーバリエーションを表示
Pre-Chatで連携されたCustomerIdとProductIdを渡してカラーバリエーションを表示するフローを実行します。

アクション:来店予約フォームを表示
Pre-Chatから連携されたCustomerIdを渡して来店予約フローを実行します。

アクション:返品ケースを作成 (Create Return Case)(v2)
顧客から返品要求があったら、CustomerIdを渡してケースを作成するフローを実行します。



Contactページレイアウト変更(店舗スタッフ向け)

ここまで長かったですが、いよいよ仕上げです。
Contactページに顧客行動タイムライン(冒頭でインストールしたコンポーネントを使用)を表示します。

Contactページを参照している状態で右上の歯車アイコンから[ページを編集]します。

コンポーネントの中から[Activity Timeline]を任意の位置にドラッグして保存します。


ケースページレイアウト変更(コンタクトセンター向け)

ケースページにはAgentとの会話の要約コンポーネントを表示します。
項目セクションをドラッグして、右に表示されているようにプロンプトを指定します。

関連リストも会話要約コンポーネントの下あたりに設置しています。
メッセージングセッションをケースの関連リストとして紐づけておくと、この関連リストの一覧の中に表示されてくれます。


メッセージングセッションページレイアウト変更(コンタクトセンター向け)

いよいよ設定としては最後の項目です。
ケース画面から詳細な会話ログを見るために遷移したメッセージングセッションログページに会話要約テキストと推奨提案テキストを表示します。

顧客とAgentのやりとりは中央に大きく拡張会話コンポーネントで設定します。

会話要約は関連レコードを設置。

フローコンポーネントでプロンプトを実行するフローを指定。

一通りの設定は以上となります。


デモ動作確認

さあ、動かしてみましょう!

動かしてみた結果をデモ動画(3分) にまとめました。

まず、顧客が商品紹介メールを受信したところからジャーニーは始まります。

メール掲載商品がトップに表示されています。しかも顧客のサイズの27.5が表示されています。

カラーバリエーションを要求すると、Agentの応答に連動してコンテンツも差し替わります。

気に入った色のEC在庫がないことを伝えると、店舗在庫検索を提案してくれます。

すると、顧客住所の渋谷に近い新宿店(今回、横浜店と新宿店の2店舗のみ用意していました)の在庫を表示しながら来店予約フォームを出してくれました!

これまでの行動履歴はContact画面のタイムラインに記録されます。店舗の販売員はこの情報を参照して接客に活かすことができます。

そしてこの顧客は予約した日時に来店し、無事に商品を購入できました。
しかし!家でしばらく試し履きしていたらサイズが思ったより小さかったので返品を相談しました。するとケースが起票されました。

コンタクトセンターのオペレーターがケースを参照します。

会話の要約が表示されています。続いてメッセージングセッションを開いて詳細を確認します。

中央にAgentとのやりとりがそのまま記録されており、ここでも会話の要約も確認可能。さらに顧客への推奨返信内容および文章まで右側に表示されています。

冒頭に掲げた顧客体験を実現するデモが完成できました!!

まとめ

というわけで、SalesforceのAI Agent、Agentforceを使って顧客体験デモを作ってみました。
最後に所感を残して本記事は終わりにしようと思います。

■ AI Agentに何を担当してもらうか、アイディア次第で顧客体験はまだまだ便利に設計できそう。
■ 店舗体験、問い合わせ体験も含めた体験設計がブランドの価値を守ることに繋がりそう。
■ Salesforceだと、AI制御以外の従来処理部分はフローでGUIで簡単に設定できるので、フルスクラッチ開発よりも早く実装早く課題に気づけて改善サイクルを早く回せそう。


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